社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年05月29日号

債務抱える欧州各国で預金流出

欧州中央銀行(ECB)の調べによると、多額の債務を抱える欧州各国で預金流出が相次いでいることが明らかになった。ギリシャ国内銀行の3月末の銀行預金は1710億ユーロで直近ピークだった2009年末比で30%強もの減少し、スペインは同5%減、ポルトガル2.5%減、と各国で預金残高が減少している。減少した預金は大半がタンス預金とみられるが、安全とされるドイツやスイスの銀行への預け替えの動きもみられるとしている。



日本国債を1段階引き下げ

世界的格付け会社のフィッチ・レーティングスは日本の国債格付けを最上位から4番目の「ダブルAマイナス」に引き下げた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスやスタンダード&プアーズも上位から4番目に格付けており、大手格付け会社の日本国債に対する評価の足並みが揃ったことになる。今回の格下げの理由として、世界最大の国債発行残高と赤字解消への工程が見えないことからリスクが高まっていることを挙げている。特に同社は、「財政健全化に向けた取り組みが切迫感に欠けると思われ、再建計画の遂行は政治リスクが伴う」と政治責任を指摘した。



訪日外国人数、震災前水準に回復

日本政府観光局の発表によると、4月の訪日外国人数は前年同月の2.6倍にあたる78万800人に達し、東日本大震災前の2010年4月実績に匹敵する水準まで回復していることが分った。タイからの訪日が単月としては過去最高を記録するなど、中国、台湾などのアジアからの訪日が好調だった。格安航空会社(LCC)などの新規路線の就航・増便が訪日増加を支えたものとみられる。ただ、以前活況を呈していた韓国からの訪日が円高ウォン安を背景に震災前の8割水準にとどまっている。



日経平均、20年ぶりに8週連続下落

日経平均株価が週間ベースで8週連続下落し、8週間で15%(金額ベース1500円強)も値を下げた。20年ぶりで8週連続下落となった。背景には、欧州での債務問題の影響拡大を危惧するのに加えて、中国での成長鈍化を懸念する投資家が保有株式を売却していることが挙げられる。とくに、円高による採算悪化予測から輸出関連株の下落が著しくなっている。



将来の原発依存度を4案で検討

2030年時点での原発依存度を検討している総合資源エネルギー調査会基本問題委員会は、0~35%の4案で検討の議論を進めていくことで基本合意した。同委員会は火力や原発、さらには再生エネルギーなどの将来の電源構成比率を検討している。原発依存度の比率については、0%・15%・20~25%・35%の4案に絞り込んでいるが、35%の原発依存度となると、原発の新増設が前提となるため反対が根強く、現実的には15%案が議論の軸になるものとみられる。



日本の「国民生活の幸福度」は21位

経済協力開発機構(OECD)が発表した国民生活の幸福度評価の「より良い暮らし指標(ベター・ライフ・インデックス)」によると、日本は前年より順位を2つ下げて21位になることが明らかになった。指標は国内総生産に変わる国民生活の豊かさを測るもの。日本は対象34か国の中で、「安全」(1位)や「教育」(2位)の分野で最高水準となったものの、「生活の満足度」(27位)や「仕事と生活の調和」(34位)の評価が低くものとなった。ちなみに、指標で上位に挙げられた国は、前年に引き続き、オーストラリア、ノルウェー、アメリカの順だった。



米国民、日本をアジアの最重要国に

外務省が米国で行った対日世論調査で、「アジアでの最重要国」を尋ねたところ、一般国民の50%が日本を挙げたことが分かった。前年度より19ポイントもの大幅な上昇で、同省では「昨年の東日本大震災後の日米協力が影響した」と分析している。中国は前年度と同じ39%だった。ただ、米国の政治家や財界人などの有識者の54%が中国をアジアでの最重要国であるとし、日本は40%にとどまり、3年連続で中国が日本を上回っている。



「4月内々定」の学生、大幅増加

就職情報会社のマイナビの調べによると、来春卒業予定の大学生が4月末時点で「内々定」を受けた割合は33.5%となり、震災の影響のあった昨年の19.8%、一昨年の31.0%よりも増加していることが明らかになった。学生が会社説明会や面接といった就活に積極的な姿勢が見られたのに加え、企業での求人数が上向いていることが「内々定」を押し上げたものとみられる。



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