社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年04月17日号

原発稼働率は過去最低の23%に

日本原子力産業協会のまとめによると、2011年度の原子力発電所の稼働率(設備利用率)は23.7%となり、調査開始の1976年以降で最低となったことが分かった。稼働率は前年度比43.6%低下することになり、マイナス幅も過去最大なった。福島原発事故以降、定期点検後にストレステストなどの安全性確保などへの評価が進展しないこともあり、再稼働できないことが相次いだことによるもの。原発再稼働への見通しが立っていない実情にあり、今後電力の安定供給が危惧されている。



1世帯当たり書籍等購入額、4.1%減

総務省の家計調査によると、2011年の1世帯当たりの書籍・雑誌・週刊誌の購入額合計平均額は1万3725円で、前年比4.1%減少していることが分かった。前年割れは3年連続となり、書籍や雑誌離れの背景には、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及によって、消費者の情報源が多様化していることがある。また、雑誌離れは、情報誌の休廃刊にも波及し、昨年の年間休刊数は158点にも及び、創刊数119点を上回った。



ホームレス、初めて1万人を割り込む

厚生労働省が今年1月時点での全国の自治体からの集計調査で、公園や河川敷で暮らしているホームレスの人数が9576人となり、調査開始2003年以降で初めて1万人を下回た。昨年から12.1%減少。内訳は、男性が8933人、女性が304人、性別不明が339人だった。同省では「生活保護に移るケースが増え、自治体の緊急一時宿泊施設が効果を上げた」と指摘している。



半数近くが「エコ商品を選択」

電通の意識調査によると、消費者の47.8%が環境問題に取り組む企業の商品やサービスを多少高くても利用すると答えていることが分かった。また、環境問題への積極的な取り組みが「一流企業の条件」だと考えている向きが74.9%まで達し、環境問題への取り組みが企業の社会的責任だと認識している消費者が確実に増えていることを物語っている。



倒産、件数・負債額ともに3年連続減に

東京商工リサーチは2011年度の企業倒産件数は前年度比2.7%減少の1万2707件になったと発表した。負債総額も15.5%減少の3兆9906億円となり、件数とともに3年連続で減少したことになる。中小企業金融円滑化法や東日本大震災での資金支援策が倒産減少の下支えになっている構図が伺える。ただ、第一生命経済研究所では、「原油高、円高などの取り巻く経済環境が現存する中では、倒産のマグマが膨らんでいる」と指摘するように、倒産先送りの実情にあり、一気に倒産が拡大しかねない様相も含んでいるとみられる。



認知症、2050年には1.1億人に拡大

世界保健機関(WHO)がまとめた認知症に関する報告書で、2050年時点での世界の認知症患者数は1億1540万人に達する見通しであることが分かった。このうち半数を超える患者数(6090万人)を日本や中国などのアジアで占めるとしている。2010年時点での世界の認知症患者数は3560万人となっており、約3倍近くにまで拡大する見通しである。2010年に患者の治療やケアに要した費用は世界全体で6040億ドル(約49兆円)で、患者数の拡大により費用は今後さらに膨らむ。



私大下宿生への仕送り額、11年連続減

東京地区私立大学教職員組合連合の家計負担調査によると、首都圏の私立大に2011年度入学した下宿生への仕送り額月額平均9万1300円となり、過去最低になったことが分かった。11年連続の減少で、同連合では「震災直後の調査だったため、被災地の対象世帯が少なかった可能性もあり、実際はもっと厳しいのではないか」と指摘している。仕送り額のうち、家賃が6万1千円で、生活費が3万300円となっている。1日当たりの生活費1010円は過去最低となっている。



新人が「重圧感じる」、上司の言葉とは

ライオンが社会人2年目の20代社員を対象にした調査で、「新入社員時代に最も重圧を感じた上司の言葉」で最も多かったのは、「言っている意味、分かる?」が最も多かった。複数回答で、35.2%の新入社員が「重圧を感じた」としており、続いて、「そんなことも分らないのか」(24.0%)、「期待しているよ」(23.6%)、「あれ、どうなっている?」(22.4%)が挙げられた。



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