内閣府は2012年1~3月期の国内総生産(GDP)は前期比1.0増となり、年率換算で実質4.1%増になったと発表した。3四半期連続のプラス成長となった背景には、エコカー補助金で好調な自動車販売を中心に個人消費が堅調なことに加え、遅れを指摘されてきた東日本大震災の復興需要が本格化してきたことがある。ただ、今後は復興需要効果が薄らいでいくのに加え、欧州危機再燃で円高や株安が進み、日本経済への影響が危惧されている。
政府は7月から約3カ月にわたって企業や家庭に対して猛暑となった2010年夏よりも電力消費を5~15%抑制する節電を求める電力需給対策を決定した。原発停止による電力供給不足に対応した節電要請で、急激な気温上昇がみられる地域に対しては「電力需給ひっ迫警報」を発令するとともに、携帯電話による家電製品利用を控えるよう求める「緊急速報メール」も計画している。北海道を除いては7月2日~9月7日(北海道:7月23日~9月14日)の節電数値目標の達成期間を設定している。
厚生労働省の発表によると、2011年4月~12年1月分の国民年金保険料の納付率は前年同期比0.7%下回る57.6%となり、残り2か月分で前年度の納付率(59.3%)を回復するのは困難であることが明らかになった。これにより2011年度の納付率は過去最低を更新することは確実視される。国民年金は自営業者中心の公的年金制度だが、最近は非正規労働者の加入が全体の3割を占め、収入が低いため保険料が払えない層が増えてきているとともに、制度への不信が強い若者の未納増加がみられる。
日銀の調査によると、消費者金融の不良債権比率は2011年度上期に15.3%に達し、10年前の3.7%から5倍に増えている実態が明らかになった。日本貸金業協会のまとめでは、消費者向け無担保貸付残高は今年2月時点で5兆4507億円があり、このうち約8千億円超が不良債権化しているとみられる。不良債権処理が進んでいない背景には「主な顧客である若者の失業率の高止まりや所得低迷で、返済が行き詰り、回収が進んでいない」実態がある。
日本PTA全国協議会が小5と中2の児童・生徒を対象にした調査で、インターネット上で売買取引を経験したことがあるとした小学5年生は29%、中学2年生では46%に上ることが分った。ネット取引で多かったのは、小学生で「ゲーム類」「ファッショングッズ」がともに12%で最も多く、中学生では「ファッショングッズ」(20%)で最多だった。ネット取引について親との会話では「話している」が小学生では40%、中学生が38%だった。
世界保健機関(WHO)が初めて統計化した高血圧と診断された世界の25歳以上の人は、男性が29.2%、女性が24.8%で、世界全体で大人の4人に1人が高血圧であることが判明した。日本は男性が26.4%、女性が16.7%で、世界平均を下回っていた。高血圧は肥満による循環血液の増加などとの相関が指摘されており、心臓病リスクも高いが、20歳以上のうち肥満と診断される世界の人口割合の平均は、男性が10%(日本は5.5%)、女性が14%(同3.5%)だった。
調査会社のクロス・マーケティングが20~60代を対象にしたインターネット調査によると、「あなたが今いる階層は」と尋ねたところ、全体の約8割が自らを「中間層」と認識しているものの、「中間層の下」が最多の40%で、「中間層の中」を上回った。「富裕層」は0.2%にすぎず、「貧困層」も16%だった。また、今の日本社会で「格差が開いているか」という問いでは、全体の8割が「格差が開いている」と指摘し、かつての「1億総中流時代」の感は薄らぎつつある。
厚生労働省が全国のホームレスを対象にした面接調査によると、「求職活動をしている」人は13.7%にとどまり、86.2%が「求職活動をしていない」ことが明らかになった。ホームレスになった理由では、「仕事が減った」「倒産・失業」「病気・ケガ」「高齢で働けなくなった」の順で挙げられ、本人の意思とは別に経済的事由によって路上生活者に陥っている実態を浮き彫りにした。路上生活が10年以上にわたる人は4分の1を占めていた。