社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年05月15日号

政府の新成長戦略、成果は1割どまり

政府の国家戦略会議が2010年に決定した「新成長戦略」の進展状況を評価検証した結果、409項目中、未実施か一部実施の政策は144件(全体の4割弱)、実施したものの成果見えない政策は229件(5割強)で、成果が出たものは1割ほどにとどまることが分った。実施された政策でも目標があいまいだったために、成果を測定できないものも多かった。政府は、これらの解決策を検討し、今夏の「日本再生戦略」に盛り込む考えだ。



日銀保有の国債残高、銀行券超えも

日銀が発表した今年12月末の長期国債残高見通しは約92兆円に達するとともに、同時期の銀行券(お札)の発行残高は約83兆円となり、長期国債残高が銀行券残高を上回ることが判明した。2010年に日銀が保有する長期国債残高は銀行券発行残高の範囲内とすると自主的に定めた「銀行券ルール」に抵触するとみられるが、日銀ではルールの対象外である資産買い入れ基金に買い入れであるとの理由から、ルールには抵触しないとしている。日銀の過度の国債買い入れは長期金利の上昇や円の通貨価値の下落にもなりかねない要素を含んでおり、危惧する向きもある。



11年度末の「国の借金」、過去最大を更新

財務省の発表によると、2011年度末の「国の借金」の残高は959兆9503億円なり、過去最大を更新した。「国の借金」は国債、借入金、政府短期証券で構成され、後年度で返済しなければならないもの。昨年1年間で35兆5907億円も膨らんだ。国民1人当たり約752万円の借金を抱えていることとなる。2012年度では新規国債発行が44兆円に上るのに加えて、復興債や年金交付国債も発行され、2012年度末には初めて1千兆円を突破し、1085兆円にまで膨らむ見通しである。



1000年後、日本の子ども数はゼロに

東北大学経済学研究科が、総務省で発表している2011年4月1日と2012年4月1日時点での子ども人口を基礎とした減少率による「子ども人口時計」を制作したところ、3011年5月には日本の子どもの数はゼロとなるとこが明らかになった。日本の子ども人口は100秒に1人の速さで減少しており、人口時計の制作者は「数字で表すことで、切迫感を持って少子化を考えて欲しい」としている。



2016年からネット行政手続きを可能に

政府は2016年1月から転居・結婚などの複数の行政手続きを自宅のパソコンからインターネットで同時にできるシステムの運用開始する方針を固めた。このシステムの運用に当たっては、2015年からの利用開始を予定している社会保障と税の共通番号(マイナンバー)を基礎としたもので、国民の利便性とともに行政コスト削減を図るのに加えて、消費税率引き上げに際しての低所得者層への負担軽減と給付等の支援を図ることを狙いとしている。



500カ所の大学にハローワークを設置

厚生労働省は若者雇用戦略の一環として、来年度から全国500カ所の大学に公共機関「ハローワーク」を設置し、専門相談員が常駐して学生の就職支援を行う方針を固めた。今回の方針は、今年1~3月に就職内定を得ていない大学4年生を対象に集中的に相談に応じてきた結果、数万人規模の学生が就職を決定した経緯もあり、初めて大学にハローワークの窓口を設置する。大卒者の就職率を押し上げる効果が期待されている。



郵貯・簡保での睡眠貯金は607億円に

会計検査院の検査で、定額預金や簡易生命保険のうち、利用者の権利が消滅する、いわゆる「睡眠貯金」は約607億円に上ることが判明するとともに、検査院は「速やかに国庫納付すべきだ」と独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険機構に指摘した。同機構は日本郵政公社(解散)から業務を引き継ぎ、民営化以前に集められた定額預金や簡易生命保険などを管理しているが、このうち時効で権利が消滅しているものについて、検査院が不用資産の国庫納付の規定により納付するよう求めている。



工場の海外移転等で、内職者は過去最低

厚生労働省は家庭で簡単な作業を請け負う家内労働者、いわゆる「内職」をする人は過去最低の約12万8千人になると発表した。1973年のピーク時の約184万人から14分の1にまで縮小してきている。内職の減少について、同省では「製造業の海外移転やパート労働へのシフト」が要因と指摘している。内職従事者を業種別にみると、衣服縫製などの「繊維工業」が最も多く、玩具や人形などの「その他(雑賀など)」、自動車関連部品などの「電気機械器具製造業」が続いた。



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