日銀の金融政策決定会合で、デフレ脱却のための金融緩和策として、国債などの資産買い入れ基金を5兆円ほど積み増し、70兆円程度にすることを決定した。国債などの資産を基金で買い入れ、資金を金融市場に供給することによって金利低下や円高是正に対応するとしている。また、今回の決定会合では、基金で買い入れる長期国債規模を約29兆円にまで拡大し、買い入れる国債の範囲も満期までの残存期間の枠を現行の「1年以上2年以下」から「1年以上3年以下」に拡げた。
リクルートの2013年3月卒業予定の大学生と大学院生の求人調査によると、求人倍率は前年比0.04ポイント上昇の1.27倍になることが分った。求人倍率は、求職者1人当たりの民間企業からの求人数を表わすもので、5年ぶりに改善することになった。企業規模別に求人数の同行をみると、従業員1千人以上では2.6%増となるものの、1千人未満では2.4%減、さらには300人未満では3.4%減となっており、中小企業での採用抑制傾向がみられた。
シカゴの大豆先物価格が1ブッシェル=14.8125ドルとなり、年初価格を2割以上上回り、2008年7月の史上最高値となった1ブッシェル=16.58ドルに近づきつつある。世界の輸出量の半分を占める南米産の不作による供給不足が主因で、中国をはじめとする新興国での大豆を原料とする食用油や飼料の需要増大に加え、ファンドなどの大口投資家の資金流入が大豆価格の高騰の背景にある。大豆の国際価格の上昇により、日本国内での食料油など向け大豆ミールの値上げが続いている。
内閣府の男女共同参画に関する意識調査結果によると、男性が「妻にはできるだけ稼いでもらいたい」と考えているのは18.3%にとどまるのに対し、女性は「結婚後も自分は稼ぎたい」とするのは46.9%に上り、夫婦での意識のギャップがみられた。また、家事の担い手については、「主に妻にして欲しい」とする男性が49.7%で、「家事は主に自分がした方がいい」とする女性は61.3%で、双方とも、「家事は妻」という肯定傾向が見られた。
厚生労働省の社会保障審議会は膨らみ続ける生活保護制度の見直しを図るとともに、現在3.7兆円にも及ぶ生活保護費の伸びを抑制するための制度見直し案をまとめることとなった。とくに、生活保護費の半分を占める医療扶助費で、生活保護受給者が受診した場合に本人負担が掛からないことで過剰診療が起きていることを指摘している。また、受給者が働いて給与を得た場合に受給額が減額になることから、勤労意欲を萎えさせている実態から、新制度を検討するとしている。
国税庁がまとめた2010年中に死亡し、相続税の課税対象とされた人の相続財産の内訳で、「現金・預貯金」が全体の23.2%を占めたことが分った。過去20年間で、相続財産のうち「現金・預貯金」が占めた割合は最高となった。地価の下落やリーマン・ショックが響いて有価証券の評価額が下落したことにより、「現金・預貯金」の割合が高まったことが背景にある。ただ、相続財産の金額ベースの構成比では「土地」が48.4%と依然トップ。
厚生労働省のまとめによると、2011年度に育児休業を取得した男性の割合は2.63%となり、過去最高を記録したことが分かった。前年度調査より1.25ポイント増えてはいるが、依然、低水準にある。女性の取得割合は、前年度比4.1ポイント上昇の87.8%になっている。また、同調査で、フルタイム正社員より労働時間が短い「短時間正社員制度」を導入している事業所は、前年度より7.1ポイントも増加し、20.5%に達していることも分かった。
文部科学省が発表した2010年度全国公立小中学校の学校給食費の徴収状況によると、全児童生徒に占める未納者の割合は1%で、給食費総額に占める未納額の割合は0.6%で、依然横ばい状態にあり、改善が進んでいないことが分った。2010年度から子供手当が支給されたものの、75%の学校で「影響はなかった」としている。未納の主な原因として学校側は、「保護者の責任感や規範意識の問題」(53%)、「経済的問題」(43%)を挙げている。