人事院の退職給付の官民格差調査結果によると、2010年度に退職した国家公務員が受け取った退職金に共催年金の上乗せ給付を加算した1人当たり退職給付額は約2950万円だったことが明かになった。人事院は民間企業の退職金と企業年金の合計額より403万円多いと指摘し、総務相と財務相に官民格差の是正を求める見解を示した。政府は共済年金独自の職域加算を廃止し、給付水準を引き下げる方向で検討をしているが、公務員労組の反発は必至で、是正実現を困難視する向きも多い。
日本経済新聞社が行った「政府による休眠預金活用」についてのアンケート調査によると、54%が「賛成する」意向を持っていることが分かった。休眠預金は原則10年間、利用しないと残高があっても「払い戻しの意思なし」として休眠口座扱いとなり、一旦、銀行の利益として計上されるが、政府は東日本大震災の復興に活用する案を検討している。賛成理由には、「金融機関の利益になるより復興などの公的に役立てるべき」の声が多かった。全国銀行協会の推計では毎年850円前後の休眠預金が発生しているものとみられる。
財務省の法人企業統計をもとに算出された2011年の労働分配率は前年を2ポイント上回る69.4%になったことが明かになった。労働分配率は、粗利益からどれくらい人件費に振り向けられたかを示すもので、2年ぶりに増加に転じた。東日本大震災の影響により粗利益は前年比で約1割減少している中で、人件費負担が増加したことになり、企業の収益構造が悪化している構図を浮き彫りにしている。企業の人員数は横ばい状態にあることから、人員カットを選択しなかった企業の姿勢も見えてくる。
リクルートの「就職白書2012」によると、今春卒業予定の学生の採用活動で60.2%の企業が東日本大震災の影響があったことが分かった。影響のあった採用活動をみると(複数回答)、「面接」が62.8%最多で、「説明会・セミナー」(56%)が続いた。また、大手の企業が面接開始時期を遅らせたため、内定を辞退する学生もみられ、内定辞退者は85.8%の企業でみられた。
調査会社マクロミルが大学生・高校生を対象にした調査で、東日本大震災は「自分にどんな影響を与えたか」という質問に対し、74.4%が「人のために役立ちたいと思った」と答えていることが分かった。同社では、こうした人に役立ちたいとする意識の背景には、「復興の過程で地域社会の助け合う姿や海外からの援助などが若者に強い印象を残した」と分析している。これを裏付けるように、「ボランティアや募金をしたか」の問いでは、8割近い若者が「行った」と答え、何らかの被災地支援を参加していた。
気象庁のまとめによると、東日本大震災以降、今年3月10日までの1年間に発生したマグニチュード(M)5以上の余震発生回数は602回に上ったことが分かった。M5以上の地震発生回数は史上最多となった。このうち、M6以上は97回、M7以上は6回発生している。同庁では「発生回数をみても収束に向かっているとはいえず、今後もM7以上の地震が発生する可能性は消えていない」と依然警戒を呼び掛けている。
自動車業界団体のまとめによると、2月の新車販売台数(軽自動車を含む)に占めるハイブリッド車(HV)の占める割合が20.2%となり、2カ月連続で2割を超えたことが分かった。好調なハイブリッド車販売の背景には、昨年末に復活したエコカー補助金があり、トヨタ自動車やホンダでは新車販売のうちハイブリッド車が占める割合は46%にまで達している。とくに、トヨタの小型HV「アクア」は生産が追いつかない状況にある。
日本青年会議所が全国の市町村長を対象にしたアンケート調査で、東日本大震災で発生した「がれき」を被災地以外で処理する広域処理に関し、国からの要請があった際に「受け入れたくない」との回答が27.1%にも達していた。「受け入れてもよい」は19.7%にとどまり、「検討中」(41.4%)が最も多かった。今回の調査では、放射性物質による汚染のない「安全な震災がれき」を対象としているものの、「処理施設がない・不足」「住民の反対」などを受け入れ拒否を理由に挙げた。