世界知的所有権機関(WIPO)の発表によると、2011年の特許の国際出願件数で2826件を出願した中国の通信機器大手の中興通訊(ZTE)が首位となった。前年まで首位だったパナソニックは省エネ技術などの特許で2463件まで出願件数を伸ばしたものの、2位に転落した。上位10社に、日本の3社、中国の2社、韓国の1社が入り、アジア勢の健闘が目立った。特許の国際出願は自社開発の技術を世界各国で一括して特許化する制度で、企業の開発力や国際化を表す指標ともいえる。
東京商工リサーチがまとめた東日本大震災に関連した企業倒産は2月末時点で628件に達し、阪神大震災時の約4倍に達した。地域別では、関東が276件で最も多く、被災地の東北では99件となっており、消費自粛や供給網の寸断による間接的な影響を受けての倒産が多かった。業種別では、飲食や宿泊などのサービス業の倒産が155件で最も多く、製造業、卸売業が続いた。倒産原因では、販売不振が6割以上を占め、長引く景気低迷に加え震災が直撃したものとみられる。
総務省の発表によると、2011年12月末時点での携帯電話加入契約数は1億2986万8000件となり、日本の総人口を初めて超えたことが分かり、1人1台以上を保有する計算となる。前年同月比7.6%の増加。スマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及により、1人で複数台の携帯電話を保有している実態が背景にある。携帯電話の急速な伸びとは逆に、加入電話の契約件数は昨年12月末現在3681万件で、前年同期比8.9%もの減少となっている。
厚生労働省は2011年上半期(1‐6月)の雇用動向調査で離職率は8.2%になったと発表した。離職率は、労働者全体のうち退職したり解雇されたりした離職者の割合で、前年同期より0.3ポイント低下した。1996年以来の低水準にある背景には、東日本大震災の影響で雇用環境が悪化しているため、転職を手控える傾向が伺える。
民間調査会社のインテージが62‐64歳男性を対象にした調査で、61%が勤務している実態が分かった。このうちの8割は週4‐5日以上の勤務となっていた。収入源(複数回答)は、「年金」が77.8%で最も多く、「勤労収入」(61%)が続いた。また、85.5%の人が普段から交流のある友人がおり、その人数は「10人以上」が最多だった。同社では「アクティブシニアと言われるように生き生きとした人生を送っており、お年寄りというイメージはない」としている。
日本貸金業協会の調査によると、正規登録をせずに違法な高金利を徴取する貸金業者、いわゆる「ヤミ金」を利用したり接触があった個人は7.8%、事業者は22.9%に上ることが分かった。1年前と比べ、個人は1.3ポイント、事業者は7.7ポイント、それぞれ増加していた。ヤミ金利用増加の背景には、2010年から完全施行された改正貸金業法により、正規業者を利用できなくなった人が増えているとみられる。
世界風力エネルギー協会(GWEC)がまとめた2011年に日本で新設された風力発電の容量は16万8千キロワットで、世界全体の総容量4123万キロワットの0.4%ほどにすぎないことが分かった。最も多かった中国の1800万キロワットの1/100にも満たなかった。原発事故の影響や地球温暖化対策を受け再生可能エネルギーへの期待の高まりから風力発電が注目を集めるが、日本では風力発電事業者からの固定価格買い取り制度の詳細が決まっていないことから低迷しているのが実情である。
全国高等学校PTA連合会とリクルート進学総研との調査によると、高校生の32%が「受験で苦労しない大学に進学したい」と考えていることが分かった。逆に、「できるだけ難易度の高い大学にしたい」(33%)とする高校生もほぼ同数だった。また、進学に関する希望を尋ねたところ(複数回答)、「自分のやりたいことができる学校」(92%)で最も多く、「自分の個性や能力を活かせる学校」(88%)「社会で役立つような知識・技術を身に付けられる学校」(78%)が続いた。