社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年02月27日号

1月貿易赤字は過去最大に

財務省は1月の貿易統計速報で、貿易収支の赤字が単月では過去最大の1兆4750億円に上ると発表した。輸出額が前年同月比9.3%もの減少したことが響いたことによるもので、とくに輸出全体の約5割を占めるアジア向けが大きく落ち込んだ。今後、欧州債務危機問題で、アジア経済の減速が見込まれ、日本から中国などへの部品・材料や製造機器の輸出の減速が危惧されている。昨年度は2.4兆円の貿易赤字となった日本の貿易黒字化はアジア向け輸出が今後を左右することになるのは避けられない。



日本企業の「海外M&A」は増加予測

調査会社のレコフデータが企業やM&A仲介会社の実務担当者を対象にした調査結果によると、87%が日本企業によると「海外でのM&A(合併・買収)が増える」と予測していることが分った。回答では、「国内市場が縮小する中で海外に成長と活路を求めざるを得ない」とみており、とくに「新興国企業が買い時である」との攻めのM&A指向が強い見方が多かった。1月の海外M&A金額は同月としては過去最高になるなど、一段と拍車がかかるものとみられている。



4月から食品のセシウムに厳格基準

厚生労働省は4月1日から適用される食品に含まれる放射性セシウムの新基準値を発表した。野菜類や穀類などの一般食品は現行の1キログラム当たり500ベクレルから100ベクレルに、飲料水は同200ベクレルから10ベクレルに、牛乳は200ベクレルから50ベクレルなどとなる。これによって、食品からの被曝上限値は年5ミリシーベルトから年1ミリシーベルトとなる。文科省の放射線審議会は「厳しすぎる」との意見も出るなど、生産者からも厳格な基準には異論が出ている。製造、加工された食品以外に、輸入したものも4月以降、新基準値適用となる。



土壌のセシウムを99.9%除去可能に

農業・食品産業技術総合研究機構が発表した新技術開発によると、放射性物質に汚染された土壌からセシウムを99.9%除去できることが分った。除去は土壌に高性能な反応促進剤であるカルシウム系の化合物を投入し、小型回転炉で熱処理した後に、セシウムをフィルターで集積するという仕組みで、実験では1キログラム当たり6万ベクレルだった土壌が29ベクレルまで低下した。



65歳過ぎても「働きたい」が56.7%に

厚生労働省が就業状況を追跡調査している「中高年者縦断調査」によると、調査時点で働いている60~64歳の人の56.7%が「65~69歳になっても働きたい」と考えていることが分った。「70歳以降も働きたい」とする向きも全体の28.7%もあり、高い就労意欲が見られた。仕事をする理由(複数回答)として、「生活費のため」が最多の63.8%で、「生活費を賄う」が32.2%で続き、経済的な理由からの就業希望が多いことが見て取れる。



男女間の賃金格差、過去最少に

厚生労働省がまとめた2011年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者(パート除く)の男性平均賃金は32万8300円、女性が23万1900円で、男女間の賃金格差は過去最少になったことが分った。女性の賃金が増加し、20年前には男性の6割程度にとどまっていたものが昨年は70.64%まで縮小してきている。女性が成長分野である教育・学習支援や医療・福祉分野で就労する人が増えていることが平均賃金を押し上げている。



非正規雇用割合は2年連続、最高を更新

総務省がまとめた2011年の労働力調査によると、雇用者のうち派遣やアルバイトといった非正規雇用の割合は、前年を0.8ポイント上回る35.2%に達したことが分った。2年連続で過去最高を更新したことになる。また、失業期間が1年以上の完全失業者も109万人にも達し、依然深刻な雇用環境を浮き彫りにした。非正規の雇用形態別の増加状況をみると、パート・アルバイトが33万人増の1181万人、派遣社員も27万人増の340万人となっている。



言われて嬉しい言葉は「若々しい」

博報堂新しい大人文化研究所が行った40~60代男女を対象にしたアンケート調査で、最も嬉しい言葉は「若々しい」で、逆に言われて不愉快な言葉は「頑固」だった。言われて嬉しい言葉でトップに挙げられた「若々しい」は男性が35%、女性が49.8%で男女ともに1位だった。「センスがいい」「自然体」が続いた。一方の不愉快な言葉では「頑固」に続き、「組織で働く」「自己主張のある」が挙げられた。「頑固は過去のものとなり、見た目の若々しさやセンスを重視する時代」と同研究所は分析している。



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