社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年02月21日号

日米欧の現預金、過去最大規模に

日米欧の中央銀行の統計を集計した2011年9月末時点での現金と預金の残高が過去最大規模になる2520兆円に達することが分った。背景には、欧州債務危機問題など世界的に金融不安が渦巻き、株式などへの投資を控え、安全な銀行預金にシフトしている実態がある。事実、国際投資信託協会がまとめた全世界の投資残高は前年比6%減少の23兆ドルに減じている。投資にマネーが回らなければ、デフレが進行し、経済成長の足かせとなるとエコノミストは指摘する向きもある。



介護保険料は過去最高の月4697円に

厚生労働省が発表した2012年度に現役世代(40~64歳)が支払う介護保険料は月額4697円となり、過去最高を更新することになった。介護保険料は利用者が1割を負担し、残りを税金と現役世代が負担する仕組みで、保険料は3年に1度策定されている。高齢化の進展で介護費が膨らみ続け、前年度より保険料は181円も増加することになる。介護保険料は制度発足時の2000年には全国平均月2911円だった。



日中貿易額は過去最高の27兆円に

日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた2011年の日中貿易総額は前年比14.3%増の3449億ドル(約27兆円)に達し、過去最高額となった。内訳をみると、輸入額が1834億ドル(同20%増)、輸出額が1614億ドル(同8.3%増)となり、日本の対中貿易収支は219億ドルとなった。輸入はスマートフォン(高機能携帯電話)が牽引するとともに、原発事故が響き扇風機や蓄電池の夕乳が増大した。一方、輸出は中国の景気減速から年前半に好調だった工場向け金属加工機械などの製造設備が年後半に鈍化した。



社会保険料負担、初の実収入の1割超え

総務省が発表した2011年家計調査によると、勤労者世帯1世帯当たりの社会保険料は月額平均4万6240円となり、実収入(46万2199円)に占める割合が初めて1割を超えたことが判明した。実収入が景気低迷を反映して前年比2.0%減少する一方で、社会保険料は同0.8%増加しており、社会保障費負担が家計を圧迫する構図となった。また、社会保険料に所得税負担を加えると、実収入の17.6%にも達した。



希望者全員の65歳雇用を義務付けへ

厚生労働省は企業に就労希望者全員の65歳までの再雇用を2025年度から義務付ける方針を固め、今国会に改正高年齢者雇用安定法案を提出する。2013年度から厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が3年ごとに1歳ずつ繰り上がり、2025年度に65歳からの支給開始年齢となることをにらんだ改正案である。また、同省の労働力調査では、従業員500人以上の大企業で働く60歳以上の雇用者は5年間で2倍に達するなどしており、高年齢者雇用は時代の趨勢にあるといえる。



マイナンバー、2015年から運用開始

閣議決定された社会保障と税の共通番号制度法案(マイナンバー法案)によると、2015年1月からの運用開始となることが明らかになった。マイナンバー制度は、国民1人1人に番号を割り当て、年金、医療、福祉、介護、労働保険等の社会保障分野と国税、地方税の税務分野で利用されるもので、情報データの一元管理をすることになる。事務の効率化や給付ミスなどを図るとともに、消費税増税に対応した低所得者対策としての「給付付き税額控除」もきめ細かくできるとしている。



銀行貸出金利が過去最低を更新

日銀のまとめによると、国内銀行の貸出約定平均金利が1.061%となり、過去最低を更新していることが明らかになった。金利が最低を更新した背景には、豊富な余剰資金を抱える銀行が、企業や家計での資金需要が低迷する中で、貸出残高を増加させるために金利引き下げを行っている実情がある。エコノミストは「今後、震災復興需要が本格化して、貸出しの増加に伴い金利上昇局面もある」とみている。



震災後、自転車出荷台数が急増

自転車産業振興協会の発表によると、2011年の自転車出荷台数は前年比11.6%増加の1055万2486台に及ぶことが明かになった。東日本大震災直後の3~5月は月間100万台を超える出荷台数となり、明らかに震災後、移動手段としての自転車に注目が集まり、販売が急増した。電動アシスト自転車も同12.5%もの急増ぶりを示した。自転車販売店では「需要一巡後の前年割れ」を危惧する声もある。



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