財務省の対外・対内証券投資調査によると、日本の生保や銀行などの国内投資家が最高位の格付けにあるドイツ国債を2011年1~11月の期間に売越した額は過去最大の2兆594億円になったことが分かった。またイタリアの国債・地方債などのソブリン債が同期間9873億円、フランスのソブリン債が同8635億円売り越しとなっている。国内投資家が外国国債への投資を絞り、日本国債に向ける動きがあると証券会社では見ている。
米大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が1月13日にフランスとオーストリアを最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げた結果、世界の「AAA」の格付け国や地域はドイツ、スウェーデンなど14に減少した。「AAA」格付けの国と地域は、2010年まで19あったが、2011年には16となり、年を追って急減してきている。また、民間銀行で唯一「AAA」格付けだったオランダのラボバンクも「AA」に格下げされ、世界の民間銀行での「AAA」格付けは皆無となった。
日本自動車工業会の発表によると、2012年の国内新車需要(軽自動車含む)が501万6千台になるとの見通しであることが分かった。前年比19.1%もの大幅な増加となり、新車需要が500万台を超えるのは4年ぶり。大震災での供給不足の解消と復興による需要増加に加えて、昨年末復活したエコカー補助金による需要を見込んでいる。エコカー補助金は来年までの1年間の期限付きとなっており、「支援策が切れた後の反動が怖い」と、今から危惧する販売会社が少なくない。
文科省と厚労省の調査で、今春卒業予定の大学生と高校生の就職内定率(昨年12月1日時点)は前年同期に比べ、やや改善していることが分かった。大学生の内定率は前年同期比3.1ポイント増の71.9%に、高校生は同2.5ポイント増の73.1%となった。ただ、大学生の内定率は改善したものの過去2番目の低い水準にある。厚労省では改善の背景について「首都圏の企業などが積極的に採用しているのに加えて、震災復興に伴う建設業や製造業の求人がある」と分析している。
楽天の仮想商店街「楽天市場」での2011年の取扱高が1兆1千億円になったとみられ、設立14年を経て初めて1兆円を突破した。インターネットを通じた消費拡大の背景には、スマートフォン(高機能)などのモバイル端末経由の取扱高が全体の2割を占めており、スマホの普及が後押しをしているとともに、顧客層年齢が30~40代中心から50~60代に広がってきていることが挙げられる。野村総研では、ネット消費が5年後にはスーパーの市場規模(2010年度=約17兆2千億円)に迫るとみている。
調査会社のマイボスコムが朝鮮半島情勢に関する調査を行ったところ、88%人が「不安に感じる」と受け止めていることが分かった。不安を感じる点については(複数回答)、「周辺国との軍事衝突」が最多の68%で、「北朝鮮の社会や経済の混乱」「核・ミサイル技術の拡散」が続いた。朝鮮半島情勢に対して日本政府に望む対応では(複数回答)、「情報収集能力の強化」が53%で最も多く、「周辺諸国との外交推進」「警備・防衛体制の増強」が次いで挙げられた。
文科省の集計によると、2009年に海外留学した日本人の数は5万9923人で、5年連続で減少していることが分かった。同省では留学生が減少している背景について、「長引く不況と、就職活動の早期化から学生の国内への内向き志向が強まっている」と分析している。逆に日本の大学で学ぶ外国人留学生は13万8075人となっている。日本人の留学先はアメリカが最多の2万4842人で、中国(1万5409人)、英国(3871人)が続いた。
日本政府観光局がまとめた2011年の訪日外国人数は621万9300人で、前年比27.8%もの大幅に減少し、調査開始の1964年以降で最大の減少率となった。大震災や原発事故に加え、長引く円高が減少に影響している。震災直後の昨年4月は前年同月比62.5%減と単月で過去最大の落ち込みを記録した。昨年11月以降は、中国からの訪日人数が増加に転じ、観光庁長官は「予想を上回るスピードで回復している」ことを指摘した。2012年の訪日人数は過去最多の900万人を目標としている。