社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2012年01月17日号

ユーロ圏9カ国の国債を格下げ

米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1月13日、ユーロ圏9か国の国債格付けを引き下げた。フランスとオーストリアは最上級の「AAA」から「AA+」に、スロベニアが「A+」、スペインとスロバキアが「A」に、マルタが「A-」、イタリアが「BBB+」、キプロスが「BB+」、ポルトガルが「BB」となった。S&P社が各国の債務危機対応に警鐘を鳴らした形だ。



復興債、個人向けに2.5兆円販売へ

財務省は2012年度に発行を計画している「復興債」約2.7兆円のうち、93%にあたる2.5兆円分を個人向けとして販売する方針を固めた。被災地を支援したいとする投資家の需要が強いため、大幅な販売額増加を見込んだ。事実、ここ数年間の年間販売額はピーク時の6分の1にとどまっていたが、昨年末の1.5兆円の個人向け復興債は販売が好調だった。被災地支援に加えて、5年物利率が0.33%で高い金利も支持されている。



倒産件数、3年連続での減少に

信用調査会社の東京商工リサーチは、2011年全国企業倒産件数は1万2734件(前年比4.4%減)となり、3年連続で減少したと発表した。倒産減少の背景には、中小企業金融円滑化法をはじめとする資金繰り支援策が奏功したとみられる。年間負債総額も3兆5929億円に減少し、21年ぶりに5兆円を下回った。しかし、金融円滑化法による返済猶予を受けた企業の倒産件数が前年の3倍に急増しているのに加え、東日本大震災での影響での倒産も阪神大震災の約4倍に達している状況もあり、同社では「12年は中小企業の経営環境は厳しく、倒産は緩やかに増えそうだ」とみている。



自殺、14年連続で3万人超に

警察庁のまとめによると、2011年の自殺者数は3万513人となり、14年連続で3万人を超えたことが分かった。前年比3.7%減少し、2年連続の減少となったものの、依然高い水準にある。男性が2万867人(前年比6.4%減)、女性が9646人(同2.5%増)だった。減少傾向にあるものの、内閣府では「東日本大震災や原発事故、円高での経済環境変化などの先行き不安感が続くとみられ、自殺対策を取り巻く環境は厳しい」と予断を許さない状況を指摘している。



都道府県賃金格差、5年ぶりに拡大

厚生労働省がまとめた2011年賃金統計調査によると、税引き前賃金から残業代を差し引いた所定内給与額の都道府県平均で、最も高かった東京都の37万2900円と、最も低かった青森県の22万2200円との格差は15万700円となっていることが分かった。前年調査より9800円も格差が拡大し、それまで4年連続で格差が縮小する傾向にあったが、5年ぶりに拡大に転じた。所定内給与額は都市部で高く、地方での低さが際立っており、地方経済に低迷によってはさらに格差が拡大する可能性がある。



映画興行収入、震災響き18%減

日本映画製作者連盟のまとめによると、2011年の映画興行収入は1800億円程度となった見通しで、過去最高を記録した前年から一転し、約18%減少となることが判明した。減少した背景には、前年に空前な記録となった「アバター」などの3D作品が振るわなかったことに加え、東日本大震災での自粛や一部の映画館の休止がある。また、配給会社の松竹では、「昨年7月の地デジへの完全移行に伴い、大型テレビとブルーレイ・ディスク対応機が普及したことで、家庭での視聴層が増えた」と分析している。



刑法犯は30年ぶりの低水準に

警察庁のまとめによると、2011年の全国の刑法犯の認知件数は148万826件となり、30年ぶりに150万件を割り込んだことが分かった。殺人は1051件で、戦後最少となった。刑法犯は戦後最悪だった2002年時の約5割の水準にまでになった。一方、刑法犯の検挙件数は前年比7.0%減の46万2642件となり、検挙率は31.2%にまで落ち込んだ。



非常食、「日常用と兼用で準備」が8割

日経産業地域研究所の消費者調査によると、非常食や防災用品の準備に対して、8割以上の人が「できるだけ日常用と兼用で準備したい」と考えていることが分かった。兼用で準備を考えている人の理由として、「コストパフォーマンスが高い」(55%)が最多で、「慣れた商品を非常時に使える」(30%)が続いた。日常でも役立ち、取り立てて非常時の備えにコストを掛けずに済ませておきたいとの指向がみられた。日常用と兼用している非常用食品では、缶詰、レトルト、クラッカーなどが挙げられた。



トップへ