社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年01月03日号

日本企業の海外M&A、過去最高額に

米調査会社のトムソン・ロイターのまとめによると、2011年の日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)の総額は過去最高の684億ドルに達することが分かった。前年比78%もの増加で、米企業の同56%増(買収額2051億ドル)、欧州企業の同22%減(同1601億ドル)と比べてみても、日本企業のM&Aの伸び率の高さが際立っている。日本企業が円高の機会を活かすとともに、日本国内の内需低迷に危機感を募らせ、中国やインドといった新興国の企業のM&Aに動いたとみられる。



手元で越年のお札は過去最高の84兆円

日銀は、家庭や企業、金融機関などで年越すお札(日銀券)が過去最高の83兆9968億円となると発表した。過去最高を更新するのは2年連続となる。震災以後、急な出費などの資金需要をにらんで企業や家庭で手元現金を厚くする傾向が顕著なことに加え、低金利を背景に預金に戻す動きが鈍くなっている。東短リサーチでは、「手元の現金が伸びているのは、低金利とデフレの長期化を象徴している」と分析している。



民間企業の負債残高は1千兆円を割る

日銀の資金循環統計によると、民間企業の負債総額(時価、株式・出資金を含む)は、9月末時点で992兆円となり、24年ぶりに1千兆円を割り込んでいることが分かった。ピーク時の企業負債総額は2007年6月末の1544兆円だったが、僅か4年でピーク時の65%まで落ち込んだ。企業が財務体質の強化を急ぐ姿勢が浮き彫りとなっており、新規借り入れに慎重姿勢であることが推察できる。



人口自然減が過去最大の20万人に

厚生労働省の人口動態統計によると、2011年の日本の人口自然減少幅が過去最大の20万4千人に上ることが明かになった。出生数が死亡数を下回る自然減少は5年連続で、20万人を超えたのは初めてとなる。自然減少が過去最大になったことについて、同省では「出産可能な女性の人口が減り出生数が減少したのに加えて、東日本大震災での死亡数が加わった」と指摘している。死亡数は過去最多の126万1千人となった。



日経平均株価、29年ぶりの安値で終える

2011年年末の日経平均株価は8,455円35銭となり、年末の終値としては第2次オイルショック後の株価低迷となった1982年以来の安値で終えた。2011年の東京株式市場は、景気回復への期待感で年初から上昇してスタートし、2月17日に10,891円の最高値を付けたものの、3月11日の東日本大震災や原発事故が響き下落に転じ、秋以降は欧州債務危機問題も影を落とし、11月25日には8,135円の最安値を付けた。ドル安・円高圧力を受け、今後も株安基調にあるとの見方が多い。



中国、一人っ子政策を緩和へ

中国政府は、人口抑制策として1979年から始めた「一人っ子政策」について、少子高齢化の進展や労働力人口の減少が経済成長の妨げになるとの立場から緩和し、第2子出産を認める方針を固めた。地方政府が地元事情に対応して是正策を講ずるよう指示しており、北京市では①両親とも一人っ子で第1子が女子、②再婚夫婦で双方とも子供が女子一人、といった条件を満たせば第2子出産を認めるとしている。



食料品の輸入が急増中

財務省の貿易統計によると、2011年1~11月の食料品の輸入額は円高を背景に前年同期比12.4%増加の約5兆3344億円に達していることが分かった。食料品輸入は、国際相場が高騰した穀物の一部を除いて、軒並み金額と数量が増加。とくに、東日本大震災後、国産飲料水が品薄状態となり、ミネラルウォーターが急増するとともに、放射性物質汚染の影響で食料品の国産離れなどから肉類や野菜、冷凍食品類の輸入が増えた。一方、輸出は15.7%減少し、とくに世界40カ国以上が日本から農水産物輸入を規制したことが響いた。



ユーロ、10年半ぶりに、100円割れ

ロンドン外国為替市場で、12月30日に1ユーロ=99円85銭となり、10年半ぶりに100円を割り込んだ。欧州債務危機への危惧からユーロが売られ、円が買われた。また同日、円は対ドルでも76円90銭台まで円買いが進み、世界の外国為替市場では、円の独歩高が続いている。イタリアが今年前半に大量の国債償還を迎えるにあたって一段のユーロ安が懸念されている。



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