社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年12月27日号

国債発行総額は過去最大の175兆円

財務省は2012年度の国債発行額が175兆円に達するとの見通しを明らかにした。前年度の約170兆円からさらに積み上がり過去最大となる。来年度国債発行総額は、予算財源となる新規財源債、償還のための借換債、財政投融資に用いる財投債、そして今年度から発行された復興債で構成される。新規国債発行額については前年度水準の44兆円以下に抑制するものの、復興債を新規に約3兆円、復興向け融資が増える財投債も今年度の14兆円から増える見通しである。



年金支給額は増え、負担者は減少に

厚生労働省は2010年度の公的年金支給額は前年度比1.7%増加の51兆1千億円となるとともに、年金受給者も同2.5%増の3796万人になったと発表した。と同時に、年金保険料を負担する現役世代は同0.7%減の6826万人となっていた。負担者の減少と併せ、厚生年金保険料の算定の基礎となる1人当たり報酬も同0.1%減の年間430万円まで落ち込んでいる。また、国民年金保険料の2010年度の納付率は過去最低の59.3%となっている。



初めて日本政府が中国国債を購入

野田首相は日中首脳会談で初めて日本政府が中国国債を購入することを表明した。中国国債の購入は、中国政府が進めている人民元の国際化に協力する狙いがあり、当面5億ドル(約390億円)規模での政府購入が見込まれている。購入資金については、米ドルでの運用に偏重している外国為替特別会計を充てることにしており、政府が資産運用の多様化を図る狙いもある。日本が中国国債の購入を決めたことで、各国への拡がりが期待でき、中国の国際化に寄与するものとみられる。



公立校教員の精神疾患での休職が急増

文部科学省が行った調査によると、2010年度に精神疾患で休職した公立校の教員は5407人に上り、過去10年間では2.1倍にまで増えていることが分かった。病気で休職した8660人のうち、精神疾患での休職は62.4%も占めている。精神疾患での内訳をみると、小学校教員が43.4%、中学校で30.9%、高校で15.1%となっている。年齢別にみると50代以上が多かった。同省では「深刻な状態が続いている」と指摘している。



百貨店売上高が15年連続減少に

日本百貨店協会発表した1~11月までの全国百貨店での売上高は5兆4207億円となり、年間売り上げ予測でも6兆1600億円にとどまり、15年連続での売上高減少は避けられそうにないことが明かになった。ピークだった1991年の売上高の約3分の2(9兆7130億円)にまで落ち込むことになる。全体の売上高の3割強を占める衣料品の落ち込みに加えて、雑貨も消費者の節約志向や販売店の激しい競合から落ち込んでいる。大手百貨店は中国などへの海外出店強化やインターネット販売に成長戦略を描くが、不透明な状況にある。



来春の新卒者採用「増える」が10.4%

リクルートが行った2013年春の民間企業の新卒採用見通し調査によると、「前年と変わらない」「分らない」が全体の4分の3を占め、依然厳しさが伺えるが、「増える」と答えた企業が前年調査より1.1ポイント増加し10.4%に上ることが分かった。従業員5人以上の企業を対象とした調査で、「増える」と答えた企業は5千人以上の企業で17.5%と高く、業種別では小売業や飲食サービス業で高かった。大規模企業や採用意欲の高い業種は、海外展開や出店拡大が背景にあるものとみられる。



日本国債、国内格付け会社が格下げ

日本国内における格付け会社である格付投資情報センター(R&I)は日本国債の格付けを最上位の「トリプルA」から1ランク下の「ダブルAプラス」にしたことを明らかにした。格下げを行った理由については、「債務残高の増大」「社会保障改革における負担増の先送り」を指摘したうえで、「政府債務残高の対GDP比率を安定させていくメドが立っていない」ことを挙げた。ただ、レポートでは「政策次第で財政再建は十分に可能である」とも記している。



生活見通し、「悪くなる」が増加

内閣府の「国民生活に関する世論調査」で、今後の生活見通しで「悪くなっていく」と答えた割合は前年比4.1ポイント増の30.8%に上ることが分かった。また、将来と現在の生活に関する設問で「毎日の生活を充実して楽しむ」が同3.0ポイント増の61.0%で過去最高となった。調査を通じて、将来不安はあるものの、現在の生活を充実させる志向が強まっていることを浮き彫りにしている。



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