社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年12月20日号

3年連続で国債発行が税収上回る予算に

政府は、2012年度予算編成に際して一般会計に計上する税収を42兆円規模に方針を固め、予算規模は93兆円前後となる見通しとなった。新規国債発行額については、中期財政計画で決定した「44兆円以下」を順守する方針で、これによって新規国債発行額が3年連続で税収を上回ることは必至の状況で、異例な事態といえる。



ヘッジファンド、3年ぶりに運用マイナスに

米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が発表したヘッジファンドの運用成績を指数化した「ヘッジファンド総合指数」によると、11月末時点で昨年末比マイナス4.4%になることが分かった。リーマン・ショックの2008年には19%のマイナスを記録したものの、09年と10年は2ケタのプラス実績をしていた。欧州の債務危機問題により、株価下落や為替・商品市場の混乱を背景にヘッジファンドの運用成績が振るわず、損失を余儀なくされている実情がある。運用資産も、6月末に過去最高の2兆446億ドルまで膨らんだが、その後投資家の解約も進み、9月末時点では1兆9678億ドルまで減少した。



タクシー車両、33年ぶりに20万台割れ

日本経済新聞社が各地の運輸局からのタクシー車両台数についての聞き取り調査を行ったところ、タクシー会社の一般車両台数は10月末時点で約19万7400台となり、33年ぶりに20万台を割り込んでいることが判明した。個人タクシーの車両台数も加えると約23万8600台となるものの、1975年以来の低水準となる。タクシーの供給過剰を解消するための自主的な減車を促す特別措置法が2009年10月に施行されたことが背景にある。タクシーの市場規模は1991年度の2兆7570億円をピークに減少が続き、昨年度は1兆7279億円となっている。



東北の建設業、業況判断が全国を上回る

中小企業が行った10~12月期の中小企業業況調査によると、東北地方の建設業の業況判断指数(DI)はマイナス3.3になり、前期(7~9月期)のマイナス14.3から大幅に改善していることが分かった。全国のマイナス20.1を大きく上回っており、東日本大震災の復興工事が改善を大きく押し上げている。また、製造業と非製造業のDIも前期よりマイナス幅が小さくなっており、持ち直しが見られている。



高校生の就職内定率、58.6%に

文部科学省がまとめた10月末時点での来春卒業予定の高校生の就職内定率は58.6%となり、昨年同期比1.5ポイント増加していた。2年連続の上昇。男子内定率は前年同期比1.1ポイント増の62.6%、女子が2.1ポイント増の52.9%となっている。都道府県別に内定率をみると、トップは富山県の77.1%で、福井県(76.8%)、岐阜県(75.6%)が続く。一方、最も低かったのは沖縄県の24.6%で、北海道(34.3%)、青森県(46.5%)が続いた。



震度6に耐えられる水道管は31%どまり

厚生労働省の調査によると、全国の主要水道管のうち震度6強相当の揺れに耐えられる耐震化が施されているのは2010年度末時点で31.0%にとどまることが分かった。同省は2013年度末までに耐震化率を100%にする目標を掲げているが、多くの費用を要するだけに、財政難の自治体にとっての目標達成は困難視される。都道府県別の耐震化率は、神奈川が60.9%で最も高く、千葉(48.1%)、青森(47.6%)が続く一方で、最も低かったのは岡山の11.4%だった。



母子・父子家庭の65%で、教育費不足

あしなが育英会が高校生の子供がいる母子・父子家庭を対象にしたアンケート調査によると、65%が「教育費が足りない」と感じていることが分かった。昨年に比べて25ポイントも急増していた。母子・父子家庭の51%が、この1年間で勤務先の業績悪化や給料減などの仕事にマイナスの変化があり、「長引く不況」「東日本大震災や原発事故」が理由に挙げられた。子供の大学や短大への進学希望は昨年比4ポイント減の41%となり、就職を希望する世帯の4割が経済的問題を理由に挙げた。



インフルエンザ、流行入り宣言

厚生労働省は今シーズンのインフルエンザが流行期入りしたと発表した。国立感染症研究所が流行開始の目安としている1週間の報告患者数が医療機関1施設当たり1人を超える1.11人となったことから流行期入りを行った。とくに、宮城県が今後4週間以内で大流行が発生する注意報レベル(10人が目安)を超える10.33人の最多で、検出されたウィルスタイプはA香港型が最も多かった。



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