社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年12月06日号

R&Ⅰ、日本国債格下げ検討を開始

格付投資情報センター(R&I)は日本国債の格付けを引き下げる検討を始めたと発表した。現在、日本国債格付けを最上位の「トリプルA」としているが、1段階下の「ダブルAプラス」とする考えである。格下げ検討に当たっては、「消費税率の10%への引き上げが2010年代半ばまでに実現したとしても、基礎的財政収支の黒字化時期は政府目標の20年度から大きくずれ込む」として、財政改革の遅滞を指摘した。日本国債格下げ検討に連なって地方債への格付けにも波及するものと見られている。



7~9月期公的年金運用、3.7兆円損失

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の発表によると、7~9月期における公的年金運用実績は、3兆7326億円の損失を計上したことが判明した。欧州債務危機による世界的な株安に加えて円高の加速で、株安と外国債券の投資運用が低迷した。2001年度以降で過去4番目に悪い運用実績となった。運用資産全体での利回りはマイナス3.32%だった。運用実績の悪化は即座に年金給付に影響はないものの、運用資産が目減りし続ければ影響を与えかねない。



ギリシャでの銀行預金、09年末比75%に

欧州中央銀行(ECB)のまとめによると、債務危機が続いているギリシャでの銀行預金が急激に減少していることが分かった。10月末の預金残高総額は債務危機が始まった2009年末比で75%まで落ち込み、直近1カ月間で122億ユーロ(約1兆3千億円)もの大量流出がみられた。資金を海外に移転する傾向が顕著で、大量流入がみられる英国では不動産相場が上昇している。資金流出は銀行財務や資金繰りを悪化させ、さらに金融システムを不安定なものにする危惧がある。



被災3県の消防団員の3割が「辞めたい」

総務省消防庁が行った調査によると、東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の3県沿岸部の消防団員の29%が「辞めたい」と答えていることが分かった。被災が大きかった石巻市では53%まで達した。震災で避難誘導中に死亡・行方不明となった団員は254名にも上る。団員は避難誘導のほか、遺体搬送などの過酷な業務にも携わった。団員は本業の傍ら活動し、平均年間報酬は2万5千円。同庁は「団員処遇や組織改善が必要」と指摘している。



コメ需要見通し、初の800万トン割れ

農林水産省は2012年産のコメの生産調整(減反)の基礎となる需要見通しを797万トンとし、生産数量目標を793万トンとする方針を決めた。需要見通しはコメ消費量の減少を反映したもので、800万トン割れは初めてとなる。生産数量目標は2011年産に比べ2万トンの減少となり、3年連続での目標引き下げとなる。同省では、生産数量目標をベースに都道府県ごとに生産目標を割り当て、作付面積を決定していくことになる。



「米国に親しみ」、過去最高の82%に

内閣府が行った外交関係に関する世論調査によると、「米国に親しみを感じる」が82%に達し、調査開始の1978年以降で過去最高になったことが分かった。また米国との関係について「良好だと思う」も0.4ポイント増加し、73.4%となった。外務省では東日本大震災での米軍の支援活動「トモダチ作戦」を好意的に受け止められたものと分析している。また、「親しみを感じる」との回答を国別にみると、中国が26.3%(前年比6.3ポイント増)、韓国が62.2%(同0.4ポイント増)、ロシアが13.4%(同0.6ポイント減)となった。



震災後に高まる、新聞に対する信頼度

公益財団法人新聞通信調査会が行った世論調査によると、東日本大震災を境に新聞に対する信頼度の変化を尋ねたところ、18.6%の人が「高くなった」と評価していることが分かった。特に被災地の岩手・宮城・福島の3県では29.1%が「高くなった」としている。また、震災に関しての新聞報道への評価は(複数回答)、「被災地の状況」(75.8%)、「被害者安否情報」(63.2%)と高い反面、「放射能拡散状況」(38.9%)、「電力事情やエネルギー政策」(34.6%)などの評価は30%台だった。



今年の流行語大賞は「なでしこジャパン」

2011年ユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞に、サッカー女子ワールドカップで初優勝した「なでしこジャパン」が決まった。震災後から4ヵ月後のワールドカップでの初優勝は、諦めない姿勢と希望を日本国民に抱かせたことが大きく評価された。また、新語・流行語トップテンの中に「3.11」「絆」「こだまでしょうか」「帰宅難民」「風評被害」といった東日本大震災関連の5つが選ばれた。



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