社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年11月08日号

国の借金、初めて1000兆円を突破

財務省のまとめによると、国債や借入金、財投債などを合計した国の2011年度末債務残高見通しは1024兆1047億円に達し、初めて1000兆円を突破することとなった。当初、同省では11年度末の債務残高見通しは995兆円としていたが、東日本大震災による復興債の発行と急激な円高による為替介入に備えた外国為替資金証券の発行限度額を増額したことにより、借金残高は大幅に増えた。



税金無駄遣い、過去2番目の指摘額に

会計検査院がまとめた国の2010年度決算検査報告書によると、税金の無駄遣いなどの不適切な経理処理と指摘した金額は4283億円(568件)で、過去2番目に多かったことが分かった。検査院の指摘は、税金の無駄遣いといった支出面が4181億円、徴収漏れといった収入面が102億円ほどとなっている。また、検査院は指摘した568件の約75%が法令違反に相当する「不当事項」と断定し、速やかに是正すべきだと断じた。



7月、生活保護受給者数は過去最多に

厚生労働省のまとめによると、全国で生活保護を受給している人は、7月時点(速報値)で過去最多の205万人前後に達する見通しであることが分かった。過去最多だった1951年度の月平均(204万人)を、半世紀ぶりに上回ることになる。1995年度は88万人だった受給者数も、景気悪化の影響で99年には100万人を突破し、リーマン・ショック以降は急増し始め、今年3月には東日本大震災が大きな影を落とし、200万人を突破していた。震災被災者に加え、景気回復が不確実な中で、さらに生活保護受給者の増加は止まらない状況にある。



米、所得格差拡大が浮き彫りに

反格差デモの終息が見えない米国だが、米議会予算局(CBO)がまとめた報告書によると、上位1%の最富裕層の所得は過去30年弱で275%増加している実態が明らかになった。同期間の所得増加率は全体平均で62%という状況の中で、6割の中間層は37%増、2割の低所得層は18%増にとどまっていた。富裕層の伸びの大きさだけが突出していた。



国内新車販売台数、14か月ぶりプラスに

日本自動車販売協会連合会の調べによると、10月の新車販売台数は38万1114台となり、前年同月比25.2%もの大幅増となった。14か月ぶりにプラスに転じた背景には、東日本大震災による供給不足から脱し各社が増産体制で供給量を増やしたことが挙げられる。とくに、販売回復の遅れていた軽自動車が新製品の投入などで、13か月ぶりに前年同月を上回った。ダイハツが発売した「ミライース」はハイブリッド車並みの低燃費が支持され、発売2週間で過去最高の受注を記録した。ただ、今後はタイ洪水による部品供給停止による国内生産への影響も危惧されている。



法人の申告漏れ、38.7%減の1.2兆円

国税庁のまとめによると、今年6月までの1年間に税務調査を受けた全国の法人の申告漏れ総額は1兆2557億円となり、前年度比38.7%減少した。減少した背景には、東日本大震災の影響により税務調査が同10.3%減ったことに伴うもの。調査した約12万5千社のうち、約9万社で申告漏れがみつかり、さらに約2万6千社で仮装・隠ぺいによる所得隠しあった。見つかった所得隠しが多かった業種は「バー・クラブ」「パチンコ」「廃棄物処理」の順となっている。



利殖犯罪被害相談、60歳以上が9割

全国の消費生活センターに今年上半期に利殖勧誘型犯罪に関する相談者の約9割が60歳以上だった。利殖勧誘型犯罪は、「値上がりが確実」「必ず儲かる」などとして未公開株や公社債を購入させ出資を促す商法で、契約時の説明とは裏腹に大抵の場合は損をするため、消費者センターに多くの苦情や相談が寄せられている。日本証券業協会では、「最近定年を迎えた世代は、金銭的に余裕があるのに加え、現役時代に新規上場が高値をつけたITバブルなどで未公開株が儲かるといった印象を持っている」ことが災いとなっている点を指摘している。



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