社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年10月18日号

為替レート、過去最高の円高水準に設定

日銀の9月企業短期経済観測調査によると、大企業製造業の2011年度の想定レートは1ドル=81円15銭で、過去最高の円高水準にあることが分かった。また、為替変動で年間どれほどの利益増減になるかを示す「為替感応度」では、1円の円高でトヨタが340億円減少になるのをはじめ、ホンダ(同150億円減少)、キャノン(同101億円減少)といった自動車や精密企業が目立った。円高が長期化する中で、企業は海外生産拡大などの為替リスク軽減策を急いでいる。



65歳まで雇用の企業は48%止まり

厚生労働省が社員31人以上が就労する企業を対象に行った「2011年の高年齢者雇用に関する調査」によると、65歳まで希望者全員が働ける企業の割合は48%になっていることが分かった。前年度より1.7ポイント増えてはいるものの、半数以下にとどまっている。65歳まで雇用する企業割合を規模別にみると、中小企業が51%、大企業が24%となっており、中小が高年齢者雇用に前向き感がみられた。



経済対策基金、2兆円も使い残し

会計検査院が緊急経済対策として国の補正予算で設立された各都道府県の基金の総額3兆4千億円のうち、約2兆円が2010年度末時点で使い残しになっていることが判明した。基金は08年度と09年度の補正予算で設けられたもの。検査院では、「地方自治体のニーズを点検せずに、国主導で予算編成されたことと、使途を細かく定めたことから自治体の使い勝手が悪かった」とし、机上の需要算出が招いたことを指摘している。



喫煙者率、過去最低を更新

日本たばこ産業が発表した2011年の全国たばこ喫煙者率調査で、喫煙する成人の割合が21.7%になったことが分かった。16年連続で減少し、過去最低を更新している。また、喫煙率は前年比2.2ポイント下落し、下落率は2006年以降で最大となった。背景には、昨年10月のたばこ増税による大幅な値上げが影響している。喫煙者率がピークだった1966年の49.4%からみると、隔世の感は否めない。ちなみに、欧米の喫煙率は、米が16.7%、英が20.5%、仏が24.7%となっている。



黒字申告の法人割合は25.2%に

国税庁のまとめによると、2010年度内に決算期を迎え今年7月末までに税務申告した法人のうち、黒字申告した法人の割合は25.2%となることが明らかになった。前年度比0.3ポイントの低下で、3年連続で過去最低を更新したことになる。申告所得総額は36兆1836億円(前年度比7.0%増)で、申告税額は9兆3856億円(同7.5%増)となった。黒字申告(繰越欠損控除後)の1件当たりの平均所得は前年度比9.1%増の5192万4千円となっている。同庁では「企業業績は回復基調にあるものの、繰越欠損金と相殺されて黒字法人の割合は増加しなかった」と指摘している。



生活保護受給者数、過去最多水準に

厚生労働省の集計によると、6月時点で生活保護を受給している人は204万1592人と過去最多だった1951年度(月平均204万6646人)とほぼ同じ水準になっていることが分かった。世帯数でみると、147万9611世帯に上り、過去最多を更新している。生活保護の支給総額でみると、2001年度に2兆円を突破し、09年度には3兆円台に乗せ、加速度的に増加している。同省では、「厳しい雇用情勢と高齢化の進展が背景にある」としている。加えて、東日本大震災の影響により一段の増加は不可避な実情にある。



子ども手当支出は旅行や外食費に

家計経済研究所がまとめた「消費生活に関するパネル調査」によると、小学生がいる世帯の子ども手当は塾代やおもちゃより外食や旅行に使われやすい実態が明らかになった。子ども手当支給世帯の昨年9月の支出動向を調べた結果、「子ども手当を全額支出に回す」とした世帯が実際に塾代などの子どもための支出は3万円となっており、前年9月と比べ1千円しか増えていなかった。これに対して、旅行や外食などの支出は14万5千円で、前年同期比7千円も増加していた。子ども手当が外食などに回っていることを浮き彫りにしている。



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