社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年10月04日号

膨らみ続ける医療費、過去最高を更新

厚生労働省が発表した2009年度国民医療費は過去最高の36兆67億円になった。国民医療費は国民が病気やケガ治療のために1年間に医療機関に支払われた医療費の総額で、3年連続で過去最高を更新した。1人当たりの医療費は全世代で増加しているが、65歳未満では平均16万3千円だったのに対し、65歳以上は68万7千円、75歳以上は85万6千円となっている。高齢化に加え、先進医療技術によって医療費は増大している。同省では、2025年度に約52兆円にまで膨らむと推計している。



個人の国債保有は大幅に減少

日銀統計によると、個人投資家の6月末時点での国債保有残高は30兆3800億円で、前年同期比11.6%もの大幅な減少になっていることが分かった。リーマンショックの08年秋以降、世界的な金融緩和により、金利が低下したのに合わせて、個人向け国債の利回りも下落し、投資魅力が薄らいだことが背景にある。個人の国債保有がピークだった08年12月時点から約6兆3千億円減少している。SMBC日興証券では「金利は低下傾向にあり、当面、国債販売は低迷するだろう」とみている。



新車販売台数、13か月ぶりに増加に

日本自動車販売協会連合会は9月の新車販売台数が31万3790台に達し、前年同月期比で1.7%増加したと発表した。13か月ぶりに増加に転じ、東日本大震災に加えエコカー補助金打ち切りによる落ち込みから反転した。乗用車のうち、普通車は同1.6%減少したが、小型車が3.1%増加し、新車販売台数の販売増をけん引した構図となっている。一方、軽自動車の販売台数は同9.1%減少し、12か月連続の減少となっている。



パート等の独身女性は「賃金格差」に不満

UIゼンセン同盟(流通や繊維などの労組でつくる産業別労組)の独身女性組合員へのアンケート調査によると、パートや派遣社員として働く独身女性が仕事の不満(複数回答)は「同じ仕事の正社員と賃金に差がある」が39%で最多だった。また、「いくら働いても正社員になれない」も25%あった。仕事に不満を抱く理由(複数回答)として、「やりがいや達成感を感じられない」(35%)、「雇用が不安定」(30%)などが挙げられた。同同盟の組合員数のうちパートなどの短時間労働者が約半数を占めている。



中小の業況は改善も、依然厳しく

金融庁が全国の中小企業を対象の業況と資金繰りに関して聞き取り調査を行ったところ、業況は全業種平均がマイナス76と依然厳しい状況にあることが分かった。「良い」との回答から「悪い」との回答を差し引いたもの。前回調査(5月)時点より、マイナス幅は7縮小した。また、資金繰りでは、前回より3縮小のマイナス64となっていた。業況も資金繰り僅かながら改善はしているものの、マイナス幅は大きく、震災前の水準に戻るには相当の期間を要するものとみられ、中小経営は依然厳しい局面にあることを浮き彫りにしている。



地震保険の収入保険料が急拡大

日本損害保険協会は、国内損害保険26社の4~6月期における地震保険の収入保険料が381億円に達し、前年同期比17.1%増加したと発表した。東日本大震災以降、地震保険に対する関心が高まり、同期の収入保険料は過去5年間で最も高いものとなった。とくに東北6県での4~5月の新規契約は前年同期比45.8%の高い伸び率となった。地震保険に加入する世帯割合は2010年度末で48.1%だったが、現下の加入急拡大を考慮すると、2011年度末では50%を超えるのは確実視される。



87%の企業が来春採用計画に変更なし

経団連会員企業を対象にした「新卒採用に関するアンケート調査」によると、東日本大震災発生後も2012年春の新卒採用計画を変更していないと回答する企業が87.5%に達していることが分かった。当初予定より減らす企業は4.0%にとどまった。経団連では「中長期的な事業拡大を見越しての採用維持を図ろうとする企業が多い」とみている。



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