日銀が集計した銀行の自己査定の状況調査によると、将来不良債権になりかねない「要注意先」の貸出額は3月末時点で44兆3千億円に上ることが判明した。貸出金全体の9.7%を占め、5年前の1.5倍にまで膨らんでいる。銀行では貸出債権を正常先、要注意先、破綻懸念先、破綻・実質破綻先に分類して査定管理し、要注意先には正常債権と不良債権との間にある灰色債権が含まれている。こうした要注意先の貸出額の増加は、依然、経営改善が遅れている企業が多いことを物語っている。
日銀の「経済・物価情勢の展望」によると、2013年度の消費者物価上昇率は前年度比0%台と予測していることが分かった。世界経済の先行きが不透明なことに加え、デフレからの脱却に日本は時間を要するとの見通し意見が強いことが背景にはある。このため、日銀は1%程度の物価上昇が見通せるまでは、現在のゼロ金利政策を維持する方針を固めた。
環境省が発表した家電リサイクル法で回収を義務付けている家電4品目の2010年度での不法投棄台数は前年度比1.1%減の13万1785台だったことが判明した。4品目の中で、ブラウン管テレビが全体の72.4%を占め、前年度比10.3%増加していた。同省では7月からの地上デジタル放送以降に伴ってテレビの買い替え需要増加が背景にあると、指摘している。チラシなどによる啓発活動やパトロールでの不法投棄防止を呼び掛けている地方自治体は88.7%だった。
日本経済新聞社が主要電子マネー6社からの聞き取り調査によると、8月の決済件数は2億972万件に達し、前年同月比16.5%の増加になったことが分かった。流通系のカードがボーナスポイントキャンペーンを展開したことが奏功し、衣料品や日用品などの利用が広がった結果となっている。JR東日本の「スイカ」が32.3%増、セブン&アイ・ホールディングスの「ナナコ」が22.2%増と健闘が目立った。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、現在の負担や財源を巡る制度が変わらなければ、2012年度の平均保険料率は今年度の9.5%から10.2%になるとの見込みを発表した。初めて10%台に乗せることになる。このため、協会けんぽは、保険料率を10%未満に抑制するため、政府に対して税負担の拡大や、70~74歳の高齢者の窓口負担を引き上げることを求めている。かりに、保険料率が10.2%となった場合、平均的な加入者(月収28万円)の保険料負担は月額3万1916円(現行2万9726円)となる。
調査会社のマクロミルがテレビやネットで通信販売される取り寄せグルメでこれまで購入した最高額をアンケート調査したところ、「3千円以上5千円未満」が最多だったことが分かった。取り寄せグルメ商品で上位だったのは(複数回答)、「スイーツ(菓子)」(59%)、「魚介類・水産加工品」(39%)、「精肉・肉加工品」(28%)だった。また、取り寄せグルメ商品を「購入したことがない」という人も35%いた。
第一生命経済研究所が正社員やパートなどで働く女性を対象にした「短時間勤務制度に関する調査」によると、働く女性の82%が「仕事と育児を両立するには子供が小学生になっても短時間勤務制度を利用したい」と希望していることが分かった。また、正社員の女性のうち、勤務先に短時間勤務制度があって利用している人は33%で、利用対象者であるものの利用していない人は32%だった。短時間勤務制度は、2009年の育児・介護休業法の改正で、3歳未満の子どもを養育する労働者が利用できるよう企業に義務付けられている。