経産省が大企業製造業61社を対象に実施した緊急調査によると、1ドル=76円前後の高値水準が半年以上続いた場合、46%の企業が「生産・研究開発拠点を海外に移転する」と回答していることが分かった。また、半年以上も1ドル=76円前後で継続した場合、79%の企業が減益になるとしており、32%の企業が前年比20%以上の営業減益になるとしている。今、国内産業の空洞化の危機にあるともいえる。
東京商工リサーチのまとめによると、中小企業金融円滑化法により返済を猶予受けた企業が倒産した件数は、今年1~8月までの累計で83件に達し、昨年1年間の1.7倍にも達することが判明した。返済猶予を受けての資金繰りへの支援効果が薄らぎ始めているものとみられ、今後は返済猶予後の企業倒産が「増えそうだ」と同社では指摘している。需要低迷や競争激化により、業績回復にまで至っていないのが企業環境の実情だ。1~8月の返済猶予企業の倒産負債総額も648億円に達し、昨年の306億円を大きく上回っている。
日銀のまとめによると、6月末時点での銀行の個人向け外貨預金残高は過去最大の約5兆1千億円に上ることが分かった。個人向け外貨預金残高はリーマンショック以降、4兆円台で推移してきたが、3月以降に円高が進み、一気に5兆円台に乗せ、その後も膨らみ続けている。個人投資家が割安になった外貨に関心を向け始めたことに加え、取引時の割安な手数料のネット専業銀行が牽引していることが背景にある。
総務省の家計調査によると、2010年の世帯人数2人以上の勤労者世帯の負債残高は前年を5.6%増加の679万円になった。負債の9割以上を占める「住宅・土地のための負債」が増えた。年収は3年連続減少の697万円で、負債残高が3年ぶりに前年を上回り増加に転じたことで、家計の苦しいやり繰りぶりが推察できる。年収の占める負債割合は97.4%に達している。
全国大学生活協同組合連合会が下宿する全国の大学生を対象にした調査によると、平均仕送りは月額7万1310円になっていた。直近でピークだった2000年の9万7120円と比べると、10年間で2万5千円強が減少していることが分かった。仕送り額が5万円未満の学生の割合も10年間で15ポイント増加し、25.4%にもなっている。仕送りがゼロとする学生も10.5%いた。下宿する学生の1か月の住居費を除く支出金額は6万3130円となっている。
厚生労働省が実施したアンケート調査によると、年金などの社会保障制度の今後の給付について、61%の人が「現状維持は困難」と回答していることが分かった。回答を年代別にみると、50代で給付維持は困難とする向きが73%と最も高く、20~40代は60%台、70代は40%台になっており、世代間のバラツキがみられた。緊急に見直しが必要な社会保障分野(複数回答)では、年金が66%で最も高く、介護(57%)、医療(53%)が続いた。また、全体の49%が「給付水準維持のためには負担増加はやむなし」と回答した。
リクルートが東日本大震災直後の4月に行った首都圏の賃貸住宅の居住者を対象にした調査によると、「今後も賃貸住宅に住む」と考える人の割合は、前年より7ポイント増加の37%に達していることが分かった。賃貸している人の「住宅所有に対する不安感」が震災によって増えたものとみられる。今後も賃貸住宅に住む理由として「自由に住み替えたい」「長期ローンを抱えたくない」が続いた。
気象情報会社のウェザーニューズがまとめたライフスタイル調査によると、今夏の節電を心掛けた人の割合が山形県と佐賀県が全国トップだった。同社が携帯サイトを通じて、「セツデン努力しているか」の問いに対し、「しっかりセツデン」「無理なくセツデン」と答えた人が両県とも100%で全国一位となり、長野県(96.0%)、秋田県(94.7%)が続いた。最下位は57.1%の島根県だった。