ニューヨーク外国為替市場で8月19日に1ドル=75円95銭と過去最高値を付けた。米欧の景気後退危惧に加え、財政・金融不安から世界の主要株価指数が大幅に続落し、リスク回避のために大量の投資資金が円買いに向かったことが背景にある。米欧の景気改善への出口が見えないことやユーロ圏各国での財政危機が不透明な実情から円相場が今後も高値推移することの長期化も懸念される。円高は輸出企業へ悪影響を及ぼし、海外での生産拠点移転も考慮され、国内雇用や消費の悪影響をもたらしかねない。
独立行政法人の日本政府観光局がまとめた7月の訪日外国人数は56万1700人となった。前月より約13万人増加し回復傾向が見られるものの、前年同月比36.1%もの大幅な減少となっており、本格回復軌道に至っていない。前年割れは5カ月連続。東日本大震災や原発事故による放射能への危惧が外国人観光客の減少の背景にある。7月の訪日外国人実績でみると、中国は前年同月比47%減、韓国が40%減、台湾が25%減といずれも大きく下回っている。
日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した2011年1~6月期の日中貿易総額が過去最高の1631億5101万ドル(約12兆5千億円)になったことが分かった。輸入は前年同月比21.4%増の849億4834万ドル(約6兆5千億円)、輸出は14.3%増の782億267万ドル(約6兆円)となり、貿易収支では日本の赤字額が67億4568万ドル(約5千億円)となっている。上半期は東日本大震災の影響で日本からの輸出額の伸びが鈍化した。
東京商工リサーチの調べによると、東日本大震災後の5か月間に発生した震災関連倒産件数は266件に達し、阪神大震災時(震災後5カ月間で88件)の3倍にも達していることが明らかになった。ただ、被災地での倒産手続きが遅れているため、実質的に破たんしている企業も多く、今後被災地企業の倒産は増加することが予想されている。また一方、帝国データバンク調べの円高関連倒産件数は今年に入ってから29社に達しており、同社では「現在の円高高値水準で推移すれば中小の倒産が相次ぐ」とみている。
財務省が発表した8月7~13日(1週間)での対外・対内証券投資によると、海外投資家による1年以下の短期債の買越額は過去最高の2兆9752億円になることが分かった。米欧の財政不安・金融不安を背景に、海外投資家が日本の短期債に資金をシフトしている実情を浮き彫りにしている。今後も、円の先高観があり、さらに日本の短期債投資を増やすものとみられる。
日本人間ドック学会は2010年に人間ドックを受診した約300万人のうち92.6%の人が「異常あり」と指摘されていたと発表した。前年より1.1ポイント上昇し「異常発見」の指摘が過去最多となった。異常があった検査項目では「肥満」(27.7%)が最も多く、「高コレステロール」(27.3%)、「肝機能異常」(27%)が続いた。また、がんが発見されたうち最も多かったがんは、「胃がん」(がん発見者数の28.2%)、「大腸がん」(同16.5%)となっている。
農林水産省は2010年度の食料自給率(カロリーベース)が39%になったと発表した。40%を割り込んだのは、2006年度以来4年ぶりとなる。コメの消費量は増えたものの、猛暑の影響によって小麦や甜菜の生産量が減少したことが影響を及ぼしている。今後、東日本大震災や原発事故による自給率は一段と下がることは避けられそうにない。とくに、放射性物質による汚染拡大での牛肉やコメの生産・供給量減少は必至である。
内閣官房の調査によると、国家公務員が3月11日~7月22日までに東日本大震災の被災地支援のためにボランティア休暇を取得した人は358人で過去最多となったことが分かった。述べ取得日数は1106日で1日当たり3日間、ボランティアに従事したことになる。最多となった省庁は、国土交通省で、法務省、農林水産省がこれに続いた。国家公務員のボランティア休暇取得者の過去最多は、2004年に発生した新潟県中越地震の290人だった。