社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年08月16日号

2年連続での人口減少に

2011年3月末時点での住民基本台帳に基づく人口動態調査による日本人の総人口は1億2623万625人となり、2年連続で人口減少していることが総務省の発表で分かった。東日本大震災で被災した3県(宮城・岩手・福島)の22市町村で住基台帳の流失などで集計出来ていない。10年度の出生数は3年連続減少の106万人、死亡者数は過去最多の121万人となっており、死亡数から出生数を差し引いた自然減は過去最多の14万人となる。本格的な人口減社会の進行が歴然となった。



急増する住宅ローン返済条件の変更

中小企業金融円滑化法に基づく住宅ローン返済の条件変更を金融機関に求める件数が、昨年9月末以降の半年間で42%増加していることが分かった。急増の背景には、給与やボーナスの減少により、毎月の返済額や金利減免を求める個人の増加がある。円滑化法施行の2009年12月から今年3月までの返済条件の申請の累計件数は16万7554件で、金融機関が応じたのは12万5721件となり、審査中や申請取り下げを除いた実質実行率は91%となっている。



「金」関連投信への資金流入額、過去最高

投信評価会社のモーニングスターの調査によると、今年に入ってからの「金先物」などに投資する投資信託への国内での資金流入額は過去最高の260億円に達するとともに、7月末時点での「金関連」投信の純資産残高も過去最大の732億円になることが分かった。欧米での財政問題や債務問題を背景に、世界的な景気不安から実物資産としての「金」への投資意欲が強まっているとともに、続く金価格の上昇基調による先高観が個人投資を呼んでいる。



年金積立金残高、前年度比6兆円の減少

厚生労働省の発表によると、厚生年金と国民年金の2010年度決算において、年金給付の原資となる積立金残高は前年より6兆3918億円減少の121兆円になったことが明らかになった。また、時価ベースでの各年金の収支は、厚生年金が2682億円の赤字、国民年金が2195億円の黒字となっている。



積み上がる「国の借金」、最悪の943兆円

財務省は6月末の「国の借金」残高は過去最悪の943兆8096億円に達したと発表した。3月末から僅か3ヶ月で19兆4500億円増加したことになる。「国の借金」は国債、借入金、政府短期証券の総額で、国民1人当たりにすると、738万円となる。一方、家計の金融資産から負債を差し引いた純資産残高は1110兆円で、「国の借金」を僅かに上回っているがものの、現状のままであれば、2~3年以内には「国の借金」は家計の純資産残高を超えることは確実である。



学童保育の利用者数、13年で2.5倍に

全国学童保育連絡協議会が5月1日時点での学童保育を利用する子供の数は81万9千人に達していることが分かった。学童保育は、昼間、家に親がいない世帯の小学生が利用する施設で、1997年に児童福祉法に基づくもの。法施行後、施設数は1万カ所増え、利用者も2.5倍増の82万人となっている。学童保育環境が整備されていると思えるものの、小学校に入った子供の6割弱しか利用できないことや学童保育がない自治体があるなど学童保育への需要に十分に応えられていない状況にあるとの指摘も多い。



厚生年金保険料の滞納事業所、過去最多

厚生労働省は、2010年度の厚生年金保険料の滞納事業所数が過去最多の16万2461に上ったと発表した。加入全事業者数の1割弱となる。厚生年金保険料は8割以上の企業が口座振替利用しているが、資金繰りの悪化から振り替えが出来ない中小・零細が増えているものとみられる。日本年金機構は、滞納事業者に対し訪問・電話で納付を呼び掛けるとともに、悪質な滞納には財産調査を行い、保険料納付を迫る方針である。



脳の老化を調節するタンパク質を発見

産業技術総合研究所と筑波大との共同研究によって、脳の老化と若返りを調節するタンパク質がマウス実験で発見された。タンパク質は「ウィント3」と呼ばれ、記憶などを司る海馬の中で、神経の元になる神経幹細胞と隣接するアストロサイト細胞が分泌することが分かった。老齢マウスのウィント3生産能力は若齢マウスの30分の1になっいた。マウスに1日20分のランニングを2週間させることで、ウィント3の生産が大幅に増え、運動効果によって脳の老化を防ぐ効果も実証された。



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