日銀のまとめによると、国内民間銀行の4月末現在の国債保有残高は、前年同月比16%増の158兆7791億円に達し、過去最大になることが分かった。10年前(約79兆円)の2倍もの水準にある。銀行での国債保有が増加している背景には、預貸率(預金が貸し出しに回る割合)が71%と過去最低を記録している実情からして、預金の振り向け先が見当たらないとする、金融の目詰まり感がある。ただ、国債保有残高の増加に伴って長期金利上昇による損失リスクも危惧される。
国税庁が発表した2011年1月1日時点の路線価は前年を3.1%下回ったことが分かった。3年連続での下落となる。下落幅は昨年4.4%からは縮小したものの、東日本大震災での大津波の影響を受け、今後、東北・関東地方の沿岸部での地価の下落懸念もある。地価の下落は、デフレに直面する日本経済にとってさらなる重石となる危惧もある。都道府県でみると、地価下落率が最も大きかったは高知県(▲8.0%)で、最も小さかったのは愛知県(▲0.8%)となった。
新生フィナンシャルの調査で、サラリーマンの1か月あたりの小遣い平均が前年比4100円減少の3万6500円であることが分かった。1991年のバブル崩壊後、過去最低となった。小遣いの使い道は「昼食代」「趣味の費用」「飲み代」の順となっているが、昨年まで500円台だった昼食代は490円となり、ワンコインを割り込む結果となっている。また、理想とする小遣い額は6万1300円で現実とは程遠い実態にある。
欧州経営大学院や世界知的所有権機関がまとめた世界125か国・地域の技術革新力を順位付けした「世界イノベーション指数2011年版」によると、日本は50.32点(100点満点)となり、世界順位は7つ下げて20位となった。首位はスイス(63.82点)。世界3位となったシンガポール(59.64点)はアジア勢で首位に立ち、日本は韓国にも抜かれ、アジア勢の中では5位となっている。
政府・与党の社会保障改革検討本部が決定した社会保障と税の共通番号大綱で、共通番号の名称を「マイナンバー」とすることが明らかになった。共通番号は、年金や医療、税務などの6分野での活用を行うとし、国民に番号を割り当て、年金や医療サービスの実績と所得や納税の実績情報を一体管理することになる。2015年1月の利用開始を目指し、個人には、健康保険証や年金手帳などの機能をまとめたICカードとして市町村から配布するとしている。
総務省の労働力調査によると、完全失業者数は前月比9万人減少の283万人となったものの、就業者数は全体で10万人少ない5959万人になったことが分かった。また、5月の完全失業率は前月比0.2ポイント減の4.5%となり、3カ月ぶりに改善するとともに、新規求人数も前月比1.1%増加し、2カ月連続の増加となり、雇用情勢に明るさが見られた。
文科省と厚労省が発表した今春卒業の大学生の詩有力率確定値によると、過去最低の91.0%であることが分かった。就職率は前年同期比0.8ポイント減少し、これまで最も低かった2000年の就職氷河期と呼ばれた時期を0.1ポイント下回った。男子は91.1%、女子は90.9%。地域別では、東日本大震災で被害が大きかった宮城・岩手・福島での落ち込みが大きく、文科省では「企業も学生も採用や就職活動ができなかったためではないか」とみている。
経済協力開発機構(OECD)が行った15歳生徒を対象にしたインターネット上の情報を読み取り活用する「デジタル読解力」調査によると、日本は参加した国・地域の中で4位となった。調査はインターネットのサイトのリンクをたどりながら情報を収集・評価・分析する力を調べるもの。読解力はあってもパソコン操作に習熟していないと、得点が伸び悩む傾向もみられ、文科省では、「読解力は国際的に高い水準にある」ものの、「パソコン操作の習熟度の低さがある」と課題を指摘している。