社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年07月12日号

日本の人口、初めて減少に転じる

総務省が発表した2010年国勢調査の抽出速報集計結果によると、日本の人口は1億2569万人となり、5年前の前回調査から3万8千人減少し、統計開始の1975年以降で初めて減少に転じた。また、65歳以上の高齢者人口の割合は23.1%で世界最高を更新する一方、15歳未満の人口割衣は13.2%で世界最低を更新した。労働力人口は前回調査より300万人減少の6240万人になった。さらに、今回の調査では、1人暮らし世帯が「夫婦と子ども世帯」を初めて上回った。



国際的に割高な日本の産業用電気料金

経産省の産業用電気料金調査によると、日本の電気料金は1キロワット時の単価は15.8円で、米国(6.8円)の2倍超、韓国(5.8円)の3倍弱となっており、国際的に割高な水準にあることが分かった。割高な電気料金は生産コストを押し上げ、国際競争力の低下を招き、生産拠点を海外に移転する産業の空洞化を招きかねない。とくに、産業用電力の7割を消費するとされる鉄鋼業などの素材産業への影響が大きく、生産コスト高に加えて、計画節電が長引いて安定的な電力供給が受けられないことになれば、海外シフトが加速しかねない。



国会議員の所得は過去最低に

衆参両院が公開した国会議員の2010年の所得や資産の補充に関する報告書によると、1人当たりの平均所得は2178万円であることが明らかになった。3年連続の減少。現行の所得公開がスタートした1993年以来、過去最低を更新。背景には、2009年の衆院選で大量の新人議員が誕生したことや、土地・株式売却益が減少したことが影響している。1億円超の所得を計上した議員は衆参両院を通じて元首相の麻生太郎氏の1名にとどまった。



6月、来春卒の大学生内定率は49%

リクルートが行った2012年春卒業予定の学生(大学・大学院生)の6月下旬時点での就職内定率は前年同期比6.6ポイント低下の49.2%にとどまっていることが明らかになった。東日本大震災の影響から大手企業だけでなく、中堅・中小も選考や内定を遅らせているものと同社ではみている。とくに、被災した宮城や福島などの7県での内定率は全国平均を5.7ポイント下回る43.5%となっており、被災地学生の就職活動の厳しさを物語る。



日本国債保有を積み増す生保会社

生命保険協会の発表によると、生保47社の3月末時点での運用資産は313兆円に上り、このうち41.3%にあたる132兆円を日本国債で運用していることが明らかになった。国債保有の5年連続で過去最高を更新している背景には、12年3月期から財務の健全性を表すソルベンシーマージン比率の算定基準が厳しくなるのを前に、下落リスクのある株式や外国債券から資金を日本国債に移動していることがある。資産運用先の選択肢が狭まっているともいえる実情を生保会社は抱えている。



介護保険給付費、9年連続増で過去最高

厚生労働省は2009年度介護保険事業状況報告で、介護保険の給付費は前年度比7.1%増の6兆8721億円に達し、過去最高となったと発表した。介護を必要とする高齢者の増加を背景に9年連続での増加となった。介護が必要と認定された人は2010年3月末時点で前年同期比3.7%増の485万人となっている。要介護認定者数の増加とともに、1人当たりの介護給付費も寝たきり高齢者の増加もあり増え続け、65歳以上の1人当たり給付費は23.8万円に上っている。



夏の旅行、2.8%減も回復の兆候

JTBが行った夏休みの旅行動向調査によると、1泊以上の旅行に出かける人は前年比2.8%減少の7458万人に上る見通しであることが分かった。前年を割り込むのは2年ぶり。ただ、店頭では震災直後ということもあり予約の出足は鈍ったものの、6月中旬以降は「予約件数が前年を上回り始め、直前での予約増加見込まれる」とみており、旅行需要に回復の兆候がある。全体での平均宿泊日数は2.32泊で前年よりは0.15泊長くなっている。



スマートフォンの月次販売、初の5割超え

調査会社GfKジャパンの調べによると、家電量販店の携帯電話販売で、スマートフォン(高機能携帯電話)が6月の販売台数の54.5%を占め、初めて5割を超えたことが分かった。1年前には15.9%だったスマートフォンの販売割合は、昨年末には4割を超える人気を集めていた。今後、携帯各社は新機種を投入しており、さらにスマートフォンのシェアは高まるとみられ、調査会社のMM総研では2011年度の出荷台数は前年度の2.3倍の1986万台になると見通している。



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