社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年06月21日号

日本の成長率はマイナス0.7%と予測

国際通貨基金(IMF)が発表した改定した世界経済見通しによると、日本の2011年の実質成長率はマイナス0.7%と、4月時点より2.1ポイント下方修正し、マイナス成長に位置付けた。東日本大震災による電力供給への懸念や原発事故の長期化が予測修正の背景にある。世界経済全体の成長見通しは4.3%としている。国別の成長見通しをみると、中国の9.6%が最も高く、インド(8.2%)、ロシア(4.8%)が続く。また、IMFでは世界経済の下振れリスクとして、ユーロ圏での市場信認が一段と悪化しかねないとみる一方で、米国経済の回復の弱さを指摘している。



脱税額、前年度比15%減に

国税庁のまとめによると、2010年度に全国の国税局が強制調査で摘発した脱税事件は216件で加算税を含めた脱と税額は約248億円だったことが分かった。件数は前年度より6件増えたものの、脱税額は前年度15%減少し、1件当たりの脱税額は約1億3千万円となっている。業種別でみると、不動産業(13件)、建設業(11件)と前年度同様に多かった。



世界の農産物は今後10年、高値推移

経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)がまとめた世界の農産物価格や生産高を予測する「農業アウトルック」によると、今後10年の実質価格は過去10年を上回る高値で推移するとともに、農業生産の伸びは鈍化するとの予測していることが分かった。2011~20年の平均価格は2001~10年比で、トウモロコシが最大で20%、鶏肉が最大で30%上昇するとみている一方、農業生産高の伸びは1.7%にとどまり、過去10年の2.6%から鈍化するとみている。



寄付金の家計に占める割合が急増

総務省の家計調査によると、3月~4月の家計での寄付金合計額は1世帯当たり3669円となり、前年同期比9.5倍に達していることが分かった。東日本大震災を受けての寄付金急増で、都市別にみると、東京都区部が最も多く、阪神大震災で被災した神戸市が続いてる。寄付金は2人以上の世帯の支出額で、阪神大震災時の約1.8倍ペースで増え続けている。寄付金の家計支出は過去5年間の平均の1.25年分に相当している。



精神疾患による労災申請、過去最多に

厚労省がまとめによると、2010年度に仕事のストレスでうつ病になるなどした精神疾患を発症し労災申請した人は過去最多の1181人に上ることが分かった。このうち労災認定された人も308人で過去最多を記録。精神疾患の原因として、「ひどい嫌がらせを受けた、暴行を受けた」「上司とのトラブル」「セクハラを受けた」などの対人関係のトラブルが増加している。労災申請した人を業種別でみると、「製造業」(207人)で最も多く、「卸・小売業」(198人)、「医療・福祉」(170人)が続いた。



原発懸念を理由に外国人の訪日自粛

米ボストンコンサルティンググループがまとめた東日本大震災後の日本への観光渡航についての外国人の意識調査を行ったところ(複数回答)、「放射性物質の影響が心配」(86%)とする向きが最も多いことが明らかになった。また、訪日の安全性に関しての情報源の評価について、「日本政府を信頼できる」とした回答は14%にとどまり、日本政府の情報開示に不信感を覗かせている。さらに訪日を考えている人に訪日理由を尋ねたところ、「日本の復興を支援したい」との声も33%あった。



自殺者の6割超が「無職」

2011年版「自殺対策白書」によると、2010年の自殺者数は前年より1155人減少の3万1690人だったことが判明した。13年連続での3万人超となる。職業別にみると、無職が61.9%に上っている。また、自殺の原因・動機は、「健康問題」が最も多く、「経済・生活問題」「家庭問題」「勤務問題」男女問題」の順で続いた。男女比でみると、男性が2万2283人で自殺者数の70%超を占めている。



デフレの影響は中高生の小遣いにも

金融広報中央委員会の「2010年度子どもの暮らしとお金に関する調査」によると、中学生の小遣いの平均額は4年前の調査より236円減少の2502円に、高校生は285円減少の5305円になっており、中高生いずれも小遣いが減少している実態が明らかになった。同委員会では、「デフレを反映した物価下落の影響」によるものとみている。また、小学校低学年で「小遣いをもらっている」と回答したのは前回調査より12.7ポイント増加の79.1%に上り、小さい時分からお金に接する機会が増えている実態も明らかになった。



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