社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年06月28日号

震災・津波の直接被害額は16.9兆円

内閣府は、東日本大震災と津波で損壊した道路・住宅などの直接的な被害額は16.9兆円に上るとする推計を発表した。福島第1原発事故の周辺での放射性物質の飛散被害などは含まれていない。損害額の内訳をみると、住宅・店舗・工場などの建築物が10.4兆円、農地や林野、養殖施設などの農林水産関係は1.9兆円などとなっている。太平洋沿岸での津波による農林水産関係の被害が大きい。被害額総額では1995年の阪神大震災(被害額9.6兆円)の1.8倍にも達している。内閣府が推計した被害額は第2次以降の予算編成のベースとなり、活用されていく。



薄型テレビ、駆け込み需要で2.4倍に

全国の家電量販店の売り上げ動向を調査するBCNによると、6月1~21日までの薄型テレビの販売台数は前年同期比2.4倍にまで増えていることが明らかになった。地デジ放送への完全移行を1か月後に控えた駆け込み需要によるもので、ブルーレイ・ディスクレコーダーも同2.1倍、地デジチューナー搭載のパソコンも同5割増で売り上げを伸ばしている。これまで過剰気味との指摘を受けていた在庫の解消が進む一方で、駆け込み需要の反動で今後地デジ関連機器の販売落ち込みが業界では懸念されている。



ヒット商品番付、20年ぶりに横綱不在

日本経済新聞社がまとめた2011年上期ヒット商品番付によると、1991年以来、約20年ぶりに東西横綱が不在となり、大関に、省エネ型家電などの「節電ツール」、終業時間が早まる日本版サマータイムを商機とする「“アフター4”販促」がランクインした。関脇には、交流サイトの「フェイスブック」と、速乾・吸湿の機能を持つ下着などの「涼感衣料」がランクづけられた。前頭には、「メードイン東北」「ボランティアツアー」など東日本大震災で被災した東北を支援する商品やサービスが掲げられた。



地震保険支払額、1兆円を突破

日本損害保険協会は、東日本大震災発生後3カ月で支払った地震保険の保険金が1兆5億9619万円になったと発表した。既に契約件数の9割強の支払いが完了している。残り1割の契約者には「請求勧奨」により保険金の受け取りを促していく方針である。支払保険金のうち、宮城県など東北6県で全体の6割強を占めている。



日本版サマータイム、電力需要は減らず

独立行政法人産業技術総合研究所の研究結果によると、始業時間を早める日本版サマータイムでは電力の総需要は減らず、逆に4%電力需要が増える試算となることが分かった。企業を中心とした「事務所部門」と「家庭部門」での平均的な電力需要のパターンを分析したもので、事務所では午後4時就業で電力需要は10%減るものの、帰宅時間が早まることでエアコン使用などの理由で家庭部門の電力需要は23~27%増加し、結果としては全体として4%の需要増となる試算結果となった。



国産スパコン、7年ぶりに世界首位に

米国の大学などがまとめているスパコン性能ランキング「TOP500」によると、理化学研究所と富士通が共同で開発を進めている次世代スーパーコンピューター「京(けい)」が1位になったことが明らかになった。7年ぶりに世界1位に返り咲いた。2012年度に完成予定の「京」が一部稼働した性能試験で、1秒間に8162兆回の計算能力を示し、2位となった中国の「天河1号A」に3倍以上の性能差を示した。「京」は完成時には1秒間に1京(1兆の1万倍)の計算を可能にするとしている。



部長クラスの平均賃金、20万円差

日本生産性本部の「2010年度能力・仕事別賃金実態調査」によると、部長クラスの平均賃金は、従業員1000人以上の大企業では71万6千円だったのに対して、100人未満の小企業では50万8千円で、約20万円差があることが分かった。また、課長クラスでは大企業が51.9万円、小企業が38.2万円。係長・主任クラスでは、大企業が39.5万円、小企業が30.6%で、役職が上位になるにつれ、賃金差は大きくなる傾向がみられた。



大学院生の23%が「苦しい」暮らし向き

全国大学生活協同組合連合会による「大学院生の生活実態調査」で、修士課程の大学院生の23.4%が現在の暮らし向きが「苦しい」としている実態が明らかになった。「苦しい暮らし向き」と回答した割合は文系で33.7%に達したのに対して、理系は20.8%にとどまっている。理系は国公立に通う学生が多いのに対して、文系は私立大生が多く、授業料の負担差が反映しているとみられる。1か月の「仕送り・小遣い」はアパートなどから通う大学院生は07年比7,650円減の66,920円だった。



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