社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年06月14日号

中国の「日本国債」買い越し、過去最高に

財務省が発表した4月の対外・対内証券投資によると、中国による日本の中長期の国債買越額は過去最高の1兆3300億円に達したことが判明した。中国の日本国債の買越額は昨年10月から一貫して増え続け、これまで最高だった3月時の2345億円から一挙に6倍近くにまで達した。中国の日本国債購入は外貨準備の運用によるものとみられ、より高い利回りを求めて中長期債に流れているものとみられる。中国の日本国債の買い越しが増える一方で、米国債の保有を減らしており、価値下落リスクのあるドル資産を減らす中国政府の思惑が垣間見える。



1年10か月ぶりに倒産が増加

東京商工リサーチがまとめた5月の企業倒産件数は1071件に上り、1年10か月ぶりに前年同月比を上回ったことが明らかになった。負債総額は前年同月比23.7%減少の2526億円となり、件数増加と負債額減少からみると、小規模・零細企業の倒産が増加していることが伺える。倒産件数を業種別にみると、建設業などの5業種で前年同月を上回り、特に宿泊業は3.6倍にも達している。



個人保険契約額、14年ぶりに増加

生命保険会社加盟47社を対象に集計した個人保険の新規契約額は前年度比6.2%増加の62兆9924億円となり、14年ぶりに増加に転じていることが判明した。新規契約を種類別にみると、「終身保険」が28.4%もの大幅な伸び率を記録し、中でも保険料を一括払い込む一時払い型が伸びている。預金に比べ、利回りが有利なことから人気を集めたものとみられる。また、銀行販売が前年度比89%増加しており、銀行窓口での個人保険販売が好調を支えている。



米国人のアジアでの最重要国は中国

外務省が行った「米国人の意識を探る世論調査」によると、米国の一般市民にアジアで最も重要な相手国を尋ねたところ、中国を挙げた人が最多になったことが判明した。中国を最も重要なパートナーとした人の割合は39%にも達し、日本の31%を大きく上回り、貿易や投資の拡大を続ける中国の存在感を表した。1975年以降で、中国が日本を初めて上回った。また、有識者向けの調査でも、中国が46%、日本が28%と大きく水をあけられている。



「きれいな河川」は微増の57%に

国土交通省と環境省による「2010年度全国水生生物調査結果」によると、全国の河川3千地点のうち、サワガニやヘビトンボなどがすむ最上位のランクの「きれいな水」は前年度比1ポイント増加の57%だったことが明らかになった。両省は、川の生き物を指標に水質を4段階で判定している。ゲンジボタルなどが生息する「少し汚い水」は29%、タニシなどがすむ「汚い水」は10%、アメリカザリガニがすむ「大変汚い水」は2%だった。地域別に「きれいな水」の割合が高かったのは北海道が78%、東北の66%、北陸の65%が続いた。



天然ガスの需要が大幅増大へ

国際エネルギー機関(IEA)は、2035年の世界の天然ガス需要が08年比で63%もの大幅に増加するとの見通しを発表した。同機関では、世界的な脱原発の動きとともに、岩盤層の間に存在する「シェールガス」などの開発が進み、天然ガス需要を押し上げるとみている。石油に比べ液化天然ガス(LNG)の価格は安いことや、二酸化炭素排出量が少ないこともあり、天然ガス市場は「発展期にある」とIEAではみている。



津波予想の上方修正を4~8割が知らず

特定非営利活動法人環境防災総合政策研究機構のまとめによると、東日本大震災で被災者の4~8割の人が、気象庁が津波の高さを2度修正した情報を知らなかったことが判明した。気象庁は当初、予想される津波の高さを岩手県で3メートル、宮城県で6メートルと発表したが、その後、2度修正され、岩手・宮城とも10メートル以上と発表されたが、防災無線の故障や停電でテレビが見れずに、情報が住民に伝わらなかった実態が明らかになった。同庁では秋までに津波警報の改善策をまとめるとしている。



GW国内宿泊旅行者数は3.2%減に

観光庁の調べによると、今年のゴールデンウィークの国内旅行者数は昨年より3.2%減少の約2千万人だったことがわかった。国内旅行の消費額も3.1%減の約8981億円にとどまり、東日本大震災での旅行自粛が反映している。また、お盆の時期に旅行を予定している人のうち、「震災復興・景気回復に貢献」を理由にする人が「自粛する」人の1.75倍に達し、「夏に向けて明るい兆しがみられると」同庁では分析している。



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