社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年05月17日号

国の借金、過去最悪の924兆円に

財務省は2010年度末の「国の借金」残高は924兆3596億円に達したと発表した。前年度末比41兆4361億円増加で、過去最悪を更新したことになる。「国の借金」は、国債、借入金、政府短期証券からなる総額で、地方の長期債務は含まれていない。借金残高は直近5年間で約100兆円増加しており、今後、東日本大震災による復興事業に多額の国債発行が見込まれており、財務省では2011年度末には1002兆円に達し、初めて1000兆円を突破する見通しを示している。毎年の政策経費を税収で賄えずに新規国債を発行しなければならない、構造的要因が背景にある。



生活保護、59年ぶりに200万人突破

厚生労働省の発表によると、今年2月時点での全国で生活保護を受給している人が200万5000人超え、終戦直後の1952年度以来、200万人を突破したことが分かった。59年ぶりに200万人を突破する結果となったが、今後について同省では「東日本大震災や原発事故で失職した被災者が生活保護を申請するケースが徐々に増えている」として増加基調にあると予測している。生活保護を世帯内訳でみると、高齢者世帯(約61万世帯)が最も多く、傷病者世帯(約31万世帯)、障害者世帯(約16万世帯)、母子世帯(約11万世帯)と続いている。



携帯「070」番号を来年度にも開放へ

総務省は携帯電話用の「090」「080」の電話番号が2014年には枯渇する可能性が出てきたことから、来年度にもPHS専用の「070」で始まる電話番号を携帯電話に開放する方針を固めた。「090」「080」の電話番号帯には既に1億8千万の番号が設けられ、これまで既に1億6千万ほどが携帯電話事業者に割り当てられているが、PHS専用の「070」を開放することで携帯が利用できる電話番号は約5割増えるとみられる。



厚労省、定年65歳に引き上げを提言

厚生労働省は法律で定められた定年年齢を現行の60歳から65歳に引き上げる提言をまとめ、今後、労使双方の意見を聴取し、早ければ来年の国会へ高年齢者雇用安定法改正案として提出する方針を固めた。厚生年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられることに連動し、60歳を超えて希望する全員が引き続き働けるようにする狙いがある。現行法律では定年を60歳以上とし、65歳までは再雇用で働けるように義務付けられているが、高齢者の雇用拡大には至っておらず、60歳過ぎて働くことも年金を受け取ることもできない実情が定年引上げの背景にある。



男性の結婚は年収300万円が壁に

内閣府が行った「結婚・家族形成に関する調査」によると、年収300万円未満層での男性既婚者は20代で8.7%、30代で9.3%にとどまっているのに対して、年収300万以上400万円未満層では20代が25.7%、30代で26.5%と2ケタ台に達しており、年収300万円が結婚への境界ゾーンになっていることが明らかになった。また、雇用形態別に既婚・未婚をみると、正規雇用の20代男性は25.5%(30代は29.3%)だったのに対して、非正規は4.1%(30代は5.6%)にとどまっていた。年収や雇用形態が結婚に大きな影を落としていることが浮き彫りになった。



公的年金保険料の未納が増加

厚生労働省のまとめによると、2010年度の国民年金保険料の納付率は2月末現在58.2%となり過去最低を更新することは確実となる一方、会社員が加入する厚生年金保険料の納付率は過去最低水準(1966年度:96.6%)に近い97.1%となり、未納額(5442億円)は過去最大になることが分かった。未納の増加は年金財政の悪化を招くだけに、基礎年金財源の全額税方式を含めて抜本的な改革が急務である。



東日本大震災での紙幣交換が急増

日銀によると、東日本大震災で汚れたり、破損したりして交換で持ち込まれた現金(紙幣・硬貨)は4月末までに12億6200万円に達したことが判明した。阪神大震災後の約8億円を上回り、避難所での被災者も多いことから今後さらに増加するものとみられる。阪神震災と異なり、津波被害での紙幣の汚れや破損が多いのも特徴だ。



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