社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年05月10日号

厚年基金、給付総額が保険料を上回る

厚生労働省の調べによると、企業年金の一つである厚生年金基金で、2009年度に初めて年金給付総額が保険料収入を上回ったことが分かった。保険料を支払う現役社員が減り、年金受給する人が増えていることに他ならない。厚生年金基金は加入者が払った保険料を事前に積み立てて将来の給付に回す仕組みで、現在608の厚生年金基金があるが年金給付に必要な積立金(責任準備金)が不足している基金は364と半数を超えている。同省では「厚生年金基金の財政悪化は基金自身の責任であり、国は関与しない」方針を示している。



4月の新車販売台数、過去最低に

日本自動車販売協会連合会がまとめた4月の新車販売台数(軽自動車含む)は18万5673台となり、月間販売が20万台を大きく割り込んだ。1968年1月(19万9371台)以来、43年ぶりに過去最低の販売を記録した。同連合会によると、「東日本大震災でサプライチェーン(供給網)が寸断され、部品不足による生産縮小を余儀なくされ、販売店に車両が入らない状況」があり、「このままでは消費者マインドが冷え込む可能性がある」と指摘している。



40歳未満の介護保険料納付を検討

厚生労働省は増え続ける介護の給付費に対応して、介護保険料の納付対象者を40歳未満にまで広げ、負担する裾野を広げる方針を固めた。政府が進めている「税と社会保障の一体改革」の一環で、原案を同省が提示する方針。早ければ2013年度の導入を検討している。介護給付費は制度発足時の2000年度の3.6兆円から2011年度には7.9兆円まで大幅に膨らみ続けてきており、本格的な高齢化社会を前に、保険料の引き上げか、負担者の裾野拡大かによって介護保険の財政基盤の安定化が求められてきている。



子供人口、1950年以降で最少に

総務省が発表した推計人口によると、4月1日時点での15歳未満の子供人口は前年より9万人少ない1693万人となったことが分かった。30年連続での減少で、1950年以降で最少となる。総人口に占める子供人口の割合は13.2%となる一方で、65歳以上の人口は過去最高の23.2%となり、少子高齢化がより鮮明になった。



世界人口、10月末にも70億人突破

国連の世界人口推計によると、2010年時点での世界の総人口は69億人弱で、今年10月末には70億人を突破する見通しとなった。同推計では、2025年には80億人に達し、100億人突破は2083年になると予測している。また、地域別の人口分布予測では、2100年にアフリカが現在より20ポイント増加の35%を占め、現在60%でトップのアジアが15ポイント減少の45%に低下するとしている。国連では持続可能な世界のために、「アフリカを中心とした多産国での出生率引き下げが欠かせない」としている。



9割の外国人留学生が「このまま日本で」

外国人留学生を支援する特定非営利活動法人国際留学生協会が行った東日本大震災に関するアンケート調査を行ったところ、9割以上の留学生が日本での勉学や仕事を「続ける」と答え、日本を離れたくない留学生が多いことが分かった。その理由として「日本が好きだから」、「こういう時だからこそ一緒に頑張って日本を復興させようと思う」という回答が寄せられた。また、震災や原発事故の情報に関して7割以上の留学生が「日本と母国の間で違いがあった」と指摘している。



津波の高さ、史上最大規模に

東京大学地震研究所の調査によると、東日本大震災で津波が陸地の斜面をさかのぼり到達した高さ(遡上高)が30メートルを超えた地点が沿岸の南北12kmにわたっていたことが判明した。高い遡上高は宮古市田老地区の37.9mで、2004年のスマトラ沖地震に匹敵する史上最大の規模の津波だったといえる。



在職老齢年金受給者、最高の216万人

60歳を過ぎて公的年金を受給しながら働く、いわゆる在職老齢年金受給者数は2010年3月末時点で過去最多の216万人になったことが厚生労働省のまとめで分かった。国民年金や厚生年金は原則65歳からの受給となるが、厚生年金加入者が受給資格期間(25年以上加入)を満たせば、60~64歳から報酬比例部分の年金を受給することができる。給与と毎月の年金額が28万円以下であれば全額受給でき、これを上回れば超えた額に応じて年金がカットされる。賃金よりも、働きたいとする60歳以降の勤労意欲が垣間見て取れる。



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