社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年05月24日号

5年ぶりに家計貯蓄額が増加に

総務省がまとめた「2010年平均の家計調査」(二人以上の世帯)によると、1世帯当たりの貯蓄額は1657万円となり、前年比1.2%増となった。5年ぶりに増加に転じた背景には、リーマンショック後の景気後退局面から所得が次第に持ち直したことが挙げられる。二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、平均値(1657万円)を下回る世帯が67.2%(前年67.6%)と依然約3分の2を占めており、世帯分布は貯蓄現在高の低い階級に偏っている。また、貯蓄現在高が最も少ない100万円未満の階級が、二人以上の世帯に占める割合は11.3%となっており、前年に比べ0.6ポイント増加している。



深刻な「1年以上失業者」の増加

総務省の「2011年1~3月期の労働力調査」によると、完全失業者は前年同期比21万人減少の295万人となったが、このうち「1年以上仕事に就いていない」失業者は同9万人増加の115万人に達していることが分かった。失業期間1年以上の長期にわたる失業者数は13四半期連続で増加し、深刻な事態となっている。1~3月の雇用者4904万人のうち、正社員などの正規雇用者数は同53万人減の3164万人だったのに対し、非正規雇用者数は同103万人増加の1739万人となっている。東日本大震災の影響で、被災地企業での解雇も相次いでおり、雇用環境は、今後、一段と厳しさを増している。



報告書案に、消費税率の段階的上げが

政府の「社会保障と税の一体改革」に際して、内閣府が近く明らかにする消費税率引き上げに関する研究報告書案に、「消費税率の引き上げについては経済への悪影響を回避するために段階的に引き上げることが望ましい」と明記することが分かった。また、引き上げにあたっては、低所得者ほど負担が重くなるという、いわゆる「逆進性」の緩和で見解は一致しているものの、食料品などの生活必需品の税率を低くする、軽減税率の適用については非効率としている。逆進性緩和のために、高所得者層への所得税負担を高めることや低所得者層を支援する「給付付き税額控除」などの政策対応の必要性を報告書案では提起している。



大震災で8割の大手小売が売上減に

経済産業省が小売・サービスの大手25社を対象に行った東日本大震災影響調査によると、84%の企業が売上げ・客数が減少したことが判明した。売上げ減少の要因(複数回答)として、「自社のイベントを自粛したのに加え、自粛ムードによる個人消費の低迷を招いた」(72%)が最も多く、「計画停電による営業時間短縮」(48%)、「外国人客の減少」(24%)が続いた。3月売上実績は食品・日用品などを除くと10~20%前後の減少となるが、とくに百貨店、旅行業、ホテルでの売り上げ減少が目立っている。



5月の就職内定率、過去最低の35.2%

就職情報サービスのディスコが行った来春卒業予定の就職内定率は5月1日現在で前年同期を12.6ポイント低下の35.2%となり、調査開始の04年以降では最低となることが分かった。前年を割り込んだ背景には、東日本大震災の影響で大手企業が選考開始を5月以降にしたためとみられる。また、震災で就職活動に影響を受けたとする学生は81.6%にも達し、影響内容で「選考の延期」が95.1%で最も多かった。とくに、被災地域の東北地方の学生は、「志望企業の採用中止」(34.1%)、「被災して活動できない」(25%)が際立ち、深刻な実情が伺える。



6割の中学生がチェーンメール受信を経験

日本PTA全国協議会の調査によると、いたずら目的などで不特定多数に転送を求める「チェーンメール」を受信したことのある携帯電話所有の中学生は62%にも達していることが分かった。チェーンメールへの中学生の対応は「無視」(64.1%)が最も多かったものの、「返信・転送」も8.6%あった。同協議会では「不確実な情報に振り回され、いじめや子供同士のトラブルを生じかねない」として注意を喚起している。



男女平均寿命、20年連続で首位

世界保健機構(WHO)がまとめた「2011年版世界保健統計」によると、09年時点での日本の男女合わせた平均寿命は83歳となり、イタリア半島にある富裕国のサンマリノと並んで、20年連続首位となった。日本の女性は86歳で首位にあり、男性は前年より1歳延び80歳となっている。世界全体での男女平均寿命は68歳で、日本は世界平均より15歳も長寿国といえる。



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