厚生労働省の推計よると、2020年度の国民健康保険(国保)の加入者のうち、高齢者(65~74歳)の割合は37%となり、ピークに達する見通しであることが分かった。20年度以降は75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度に移行するため、高齢者の割合は段階的に縮小していく。高齢者加入の増加によって、医療費が膨らむ一方で、年金収入に依存して所得が少ない高齢者の割合の増加は保険料収入が目減りし、国保の財政を悪化させる危惧が高い。09年度時点でみても、約1700ある国保の5割は既に赤字に陥っており、一般会計からの赤字穴埋め投入を行っている。税と社会保障の一体改革をはじめ抜本的な改革が先送りされれば、市町村財政は行き詰りかねない。 |