社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年04月05日号

日銀の資金供給残高、過去最高に

日銀の金融市場への資金供給残高は年度末となる3月末時点で約55兆円を超える見通し。昨年同期比3割以上も多いものとなり、過去最高となる見通しである。東日本大震災や原発事故を受け、金融機関の資金繰り不安や企業の現金需要が強まったことから、日銀は不安を払拭し、万全を期すうえから、大量の資金を市場に供給した。日銀は4月以降も市場の安定維持のため資金供給を続ける方針で、さらに資金供給残高は増えるものとみられる。



2020年国保加入者、高齢者が4割に

厚生労働省の推計よると、2020年度の国民健康保険(国保)の加入者のうち、高齢者(65~74歳)の割合は37%となり、ピークに達する見通しであることが分かった。20年度以降は75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度に移行するため、高齢者の割合は段階的に縮小していく。高齢者加入の増加によって、医療費が膨らむ一方で、年金収入に依存して所得が少ない高齢者の割合の増加は保険料収入が目減りし、国保の財政を悪化させる危惧が高い。09年度時点でみても、約1700ある国保の5割は既に赤字に陥っており、一般会計からの赤字穴埋め投入を行っている。税と社会保障の一体改革をはじめ抜本的な改革が先送りされれば、市町村財政は行き詰りかねない。



3月新車販売、過去最大の35%減少

日本自動車販売協会連合会は3月の新車販売台数は43万7599台で、前年同月比35.1%減となったと発表した。減少率は統計可能な1969年以降、3月としては過去最大となった。通常、3月の新車販売台数は年間でピークとなるが、東日本大震災後、需要が激減し、大きな打撃を与えた。各社の販売台数(軽自動車含む)は、トヨタが45.9%減、日産が35.7%減、ホンダが28.2%減と軒並み2ケタ減少となっている。4月以降も、震災直後の生産停止や操業短縮などで販売店への供給不足から販売減少は避けられない状況にある。



日経平均株価、1年で12%下落

3月31日の日経平均株価は9755円で引け、2010年度の1年間で株価は12%下落した。2年ぶりの下落。3月の東日本大震災や福島原発事故が株価に反映した形となっている。株価下落により、生保では約3割、大手行で約4割目減りといった具合に金融機関が保有する株式含み益は減少した。同期間の海外株価をみると、米国が14%上昇、ドイツが15%上昇しており、日本の株価下落が突出している。



潜在競争力、香港が6年連続で首位

日本経済研究センターがまとめた2010年「世界50か国・地域の潜在競争力ランキング」によると、6年連続で香港が首位を維持した。潜在競争力は持続的な成長力に関して、「企業」「金融」「科学技術」などの8つのカテゴリーの主要指標を分析し、今後約10年間にどれだけ1人当たり国内総生産(GDP)を増加させるだけの潜在力を持っているかを算出している。アジアでは、シンガポール(2位)が上位にあり、日本(14位)、韓国(17位)、台湾(18位)、中国(34位)の順となっている。



高校中退者の56%が就労

内閣府の「高校中途退学者の意識に関する調査」によると、高校中退後概ね2年以内経過した若者のうち過半数の56.2%が「働いている」と回答していることが分かった。このうち、雇用形態は「正社員・正職員」が17.1%にとどまっているのに対して、「フリーター・パートなど」が77.2%で大半を占め、経済的に不安定な状況にある。高校を辞めた理由(複数回答)は、「欠席や欠時が溜まって進級できそうにみなかった」(54.9%)、「校則など校風が合わなかったから」(52.0%)の順となっている。



退職金で投資する人は減少へ

フィデリティ退職・投資教育研究所が60~65歳の男女8千人を対象にした調査によると、退職金をもらった人が「投資型金融商品に振り向けた」割合は2008年に起きたリーマンショック以前に退職金をもらった人は41%だったのに対し、09年以降に退職金をもらった人は30%にとどまっていることが分かった。リーマンショック後、明らかに投資した人の割合は減少している。退職金で投資しなかった人の理由として、「元本割リスクを取りたくない」「投資の知識が不十分」が多かった。



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