社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年02月01日号

09年度年金給付、初の50兆円突破

厚生労働省の調査で、2009年度公的年金の支給総額が初めて50兆円を突破したことが明らかとなった。09年度は年金受給者が前年度比3.1%増加の3703万人に達している。今後、団塊世代が本格的に年金を受給する2012年以降はさらに拡大し、2015年度には現在より20%もの大幅な支給増加となる見通しである。一方、年金の支え手である加入者は前年度比0.9%減少の6874万人で、現役1.86人で受給者1人を支える構図になっている。年金受給を制度別にみると、基礎年金が前年度比3.9%増の約18兆円、厚生年金は同2.3%増の約25兆5千億円、共済年金は同1.9%増の約6兆6千億円となっている。



国・地方の公債残高、15年度に1千兆円

内閣府がまとめた経済財政の中長期試算によると、国と地方の公債残高は2015年度に1000兆円を突破する見通しであることが明らかになった。2010年度の公債残高は833兆円で先進国最悪の状況にあり、今後も高齢化による社会保障費などの自然増加をカバーできずに膨らみ続けており、このままでは2015年度を待たずに前倒しで1000兆円を超えかねない。政府は20年度に基礎的財政収支の黒字化を目標に掲げているが、毎年度の財源不足を解消するには説得力に欠ける実情にある。野村証券アナリストは、「基礎的財政収支を黒字化するには消費税率20%以上にする必要がある」と指摘している。



高止まり続ける、倒産防止共済加入

中小企業基盤機構が運営する中小企業倒産防止共済の2010年4~12月までの新規加入件数は約2万3千件に達し、3万件を突破した前年度並みの加入が見込まれる。新規加入が高止まり続ける背景には、中小企業の連鎖倒産懸念が根強くあり、中小における業績改善が著しく遅れていることを浮き彫りにしている。同制度は、掛金を積み立て、取引先の倒産での売掛金回収が困難な場合、最大掛金の10倍まで無担保で借りられる。2011年10月までに、掛金が8万円から20万円に引き上げられるとともに、貸付限度額も3200万円から8000万円まで拡充され、今後さらに制度利用者の増加が見込まれている。



定期預金残高、3年9か月ぶりに減少

日銀のマネーストック統計によると、2010年12月時点における定期預金の平均残高は約550兆6574億円となり、前年比で0.1%減少した。前年比で減少に転じたのは3年9か月ぶりで、預金者の定期預金離れが際立った。定期預金金利は08年秋のリーマンショック以降、低下傾向が続いており、定期預金離れについて同統計局では「定期預金の魅力が薄らぎ、いつでも出し入れできる普通預金が選ばれやすくなった」としている。



世帯主の生保加入、過去最低に

生命保険文化センターの調査によると、2009年時点で世帯主が生命保険に加入している割合は全体で80.2%となり、調査開始の1970年以降で最低だった73年の82.0%を割り込んだ。加入率がピークだった94年(91.7%)より10ポイント以上も減っている。背景には、少子化で生保ニーズが減っているのに加えて、賃金が伸び悩み、保険料支出を減らしている動きがみられ、直近での世帯主の生保加入率は80%を下回っている可能性が高いと思われる。また、若者世帯では、保険料よりも携帯電話代に回す傾向がみられ、一段と生保離れが加速している。



日本国債、8年ぶりに1段階格下げへ

米格付け会社スタンダード・&プアーズ(S&P)は日本の長期国債格付けを8年9か月ぶりに「AA」(ダブルA)から「AA‐」(ダブルAマイナス)へ1段階引き下げた。同社は引き下げ理由を「財政赤字が今後数年高止まりする」との見解を示したうえで、「20年半ばまで悪化し続ける」と予想した。「AA‐」は上から4番目で、サウジアラビア、中国、台湾と同じ水準となる。財政不安が伝えられるスペインが「AA」と日本より1ランク上に格付けされている。



2010年中国GDP、世界第2位に

中国国家統計局は2010年の国内総生産(GDP)が前年比10.3%増加したと発表した。名目GDPで日本が42年間保持してきた世界第2位の座を中国に譲り渡すことになった。中国の名目GDPはドル換算で5兆8895億ドルとなり、日本を約4700億ドル上回った。公共投資と輸出が中国の高成長をけん引した。



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