社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年01月11日号

円、2010年平均は初の80円台に

2010年の外国為替市場における年平均の円相場は1ドル=87円75銭にまで上昇し、変動相場制が始まった1973年以後初めて80円台に突入した。背景には、欧州の財政不安や景気減速感の強まった米国の金融緩和観測から円買い・ドル売りが進行した。円は一時、80円20銭(11月1日)まで上昇した。2011年の円相場について、JPモルガン・チェース銀行では「成長期待が高い新興国や資源国通貨に対しては下落しそうだが、米ドルに対しては低金利の長期化からさらに上昇(円高)する可能性が高い」と指摘している。



温暖化ガス排出量、初めて90年を下回る

環境省は2009年度の国内温暖化ガス排出量が京都議定書で定める基準年である1990年を4.1%減少し、基準年を初めて下回ったと発表した。前年度を5.7%下回っており、景気後退局面での工場の排出量が減ったのに加えて、原子力発電所の稼働率が5.7ポイント改善したことが寄与した。ただ、京都議定書で日本は08~12年度に1990年比で平均6%削減を公約しており、まだ到達していない。産業部門での09年度の排出量は90年比で19.9%もの削減と際立っている。



小さな都市ほど、将来、人口が激減

国土交通省がまとめた長期推計調査によると、人口30万人以上の大都市における2050年の人口は05年比で約23%減少にとどまるのに対して、6千~1万人未満の小さな都市では48%減と急減することが分かった。推計は国勢調査データを基に、人口の自然増減や引っ越しなどの影響を考慮して行われたもの。少子化に加えて、大都市への人口集中により地方の過疎化が進んでいくことが背景にある。小さな都市ほど、将来は人口が減るという厳しい現実を浮き彫りにしている。



中国、歳入が初めて100兆円を突破

中国財政省によると、2010年の歳入規模が100兆円を突破するとの見通しを発表した。消費関連の税収が好調で、今年1~11月の税収は前年同期比23%増と右肩上がりを続けている。歳入とともに、歳出規模も膨らみ、高速鉄道や空港建設などの交通関連支出が45%伸びたほか、社会保障・雇用(31%増)や医療衛生(39%増)も増えている。軍事費も大幅に増やしたものとみられる。



携帯電話通話料、NYの2.7倍に

総務省が世界主要7都市の携帯電話サービスを比較した2009年度調査によると、東京の通話料は1分26.5円で、パリの33.3円に次いで高いことが分かった。ニューヨークの9.9円と比べ2.7倍割高となっている。背景には、携帯各社が自社の端末同士は無料にするサービスを行う一方、他社の端末や固定電話への通話料を高く据え置いている。携帯大手3社は、「設備コストが減らない限り通話料の引き下げは難しい」としている。



新成人、4年連続で過去最少を記録

総務省の人口推計によると、本年1月1日現在の新成人数は124万人で、昨年より3万人下回り、4年連続で過去最少を更新することが明らかになった。推計調査開始の1968年以降で最も多かった1970年(246万人)の約半数となった。また、総人口に占める割合も0.97%となり、初めて1%を割り込んだ。今年の干支である「卯年生まれ」人口は1008万人で、総人口に占める割合は7.9%となり、12支別では3番目に少ないものとなっている。



求人広告件数、8カ月連続で前年上回る

全国求人情報協会によると、昨年11月の求人広告掲載件数は51万4218件となり、8カ月連続で前年を上回ったことが明らかになった。住宅エコポイント対象商品や生命保険などでの電話営業のアルバイトやパート募集が増えたことが背景にある。従来、自前で電話営業を手掛けていたが、コスト削減で外注に切り替え、受託したコールセンター運営会社が人員を募集したため、求人広告が増加している。このため、正社員や新卒採用への求人広告には至らず、依然厳しい環境にある。



今年買いたい高額商品は『国内旅行』

調査会社のマクロミルが行った「2011年買いたい高額商品・サービス調査」(複数回答)によると、最も多かったのは「国内旅行」(32%)だった。以下、「パソコンなどの情報家電」(24%)、「テレビ」(21%)、「海外旅行」(19%)などが続いた。また、前年に比べて2011年の消費姿勢がどう変わるかについては、53%の人が「ほとんど変わらない」としており、慎重姿勢が伺えた。



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