社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年12月28日号

1人当たりGDP、主要国中16位に

内閣府は2009年度の国民経済計算確報で1人当たりの名目国内総生産(GDP)は371万6千円となり、経済協力開発機構(OECD)加盟34か国での順位は16位になったと発表した。前年度比3.6%減で、2年連続で前年度を割り込んだ。09年度は08年秋のリーマン・ショックの影響でGDPは減少した。日本の1人当たりGDPは1993年にルクセンブルクに次いで2位だったが、これ以降はバブル経済の崩壊で順位を下げてきた。しかし、円高・ドル安によるドル換算計算で前年度の19位から順位を3つ押し上げた。



宿泊・飲食などの個人需要は依然弱く

日銀の12月企業短期経済観測調査(短観)によると、国内企業の商品やサービスの受給判断指数(DI、「需要超過」-「供給超過」)で宿泊・飲食サービスが前回調査と同じマイナス55となっており、依然、個人消費と関連深い業種での低迷が続いていることが判明した。マイナスが大きいほど供給超過傾向にあり、映画館や旅行会社などの「対個人サービス」はマイナス39、「小売り」はマイナス35となっており、個人消費関連業種の改善には大きな時間を要することを浮き彫りにした。農林中金総合研究所では、「今年度上半期の業績好調による賃金改善が進めば個人関連業種での需給は多少縮むと思われるが、デフレ脱却までには道程は長い」とみている。



大手銀行の国債売却で金利上昇の危惧

日本証券業協会が発表した11月の公社債投資家別売買高によると、大手銀行の日本国債売越額は2兆8905億円に上り、1998年以降で過去3番目の高い水準にあることが分かった。背景には、大手銀行が春先以降、アメリカの金融緩和の進展による米債券相場が上昇するとみて米国債を買い込んできたものの、一段の追加緩和観測が後退し、米長期金利が上昇したため、損失を覚悟で米国債を手放した。さらにその損失を穴埋めするために日本国債も売却したものとみられる。市場関係者は「多くの国内大手銀行が売った」とみており、日本の長期金利上昇を招いたものとみられる。



中小の緊急保障制度利用、増加へ

全国の信用保証協会が金融機関の中小企業向け融資を100%保証する「緊急融資制度」を利用する企業が増え出している。経産省は12月の保障承諾額は「9000億円前後に増える」とみており、急激な円高が進展した9月の約7300億円を超えることが確実視されている。年末の資金需要期に経営環境が悪化した企業の利用が増えているものとみられる。同省によると、公共投資の激減で建設業での利用が多くなっているほか、これまではあまり利用の見られなかった医療・福祉などでの利用も目立ってきているという。ただ、08年12月の約3兆円、09年12月の約1兆円と比較すると利用は減っており、「中小企業の資金繰りは最悪期を脱した」とみている。



12年春の大卒採用は半数企業が横ばい

リクルートの「2012年春・新卒採用見通し調査」によると、大卒採用数について「前年と変わらない」とする企業が全体の47.1%を占め、依然として採用に慎重姿勢を示す企業が半数に上ることが分かった。一方、「増える」とした企業が前年調査より3.8ポイント上昇の9.3%になるなど、一部で就職環境に改善が見られており、同社では「新卒採用市場の動向は今後の景気動向に大きく左右される可能性がある」との見方を示した。



新年の「福袋、買うつもり」は29%どまり

調査会社のマイボイスコムが行った2011年福袋購入意向調査によると、「必ず」「未定だができるだけ」買うつもりとする向きは29%で、不要不急な支出に慎重な態度が見られた。7割以上の「買うつもりはない」とする理由として、「中身が分からないと不安」(複数回答43%)、「試着など試してみないと買う気が起きない」(同34%)などが挙げられた。また、購入場所では、「百貨店」(37%)や「ショッピングセンター」(17%)を挙げ、予算では「5千円以上1万円未満」(48%)が最も多かった。



春の訪れは例年よりも早く

気象庁が発表した来年1~3月の3カ月予報によると、1月は西日本を中心に寒気の影響を受けやすいが、2月以降は全国的に気温が高めで推移し、春の訪れは例年より早い見通しである。ラニーニャ現象で上空を流れる偏西風が日本付近で南に蛇行するため、冬型の気圧配置が強まるものの、2月以降は解消され、暖かい日が続くとしている。



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