社会・経済のうごき@しんぶん
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2011年01月04日号

23%の企業が賃金カットを実施

厚生労働省がまとめた「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果によると、2010年中に従業員の賃金カットを実施した企業は23%に達し、前年の30.9%よりは減少しているものの、依然高い水準にあることが分かった。賃金カットの実施に踏み切った企業を従業員規模別にみると、1000~4999人が24.7%で最も高く、5000人以上が16.8%で最も低かった。賃金カット対象者別にみると、「管理職の一部と一般職の一部」が30.7%で最も高く、「管理職のみ」(30.5%)、「一般職のみ」(12.6%)が続いた。



08年、環境破壊の損害額は530兆円

国連環境計画(UNEP)がまとめた調査によると、地球温暖化や大気汚染など人間活動が原因の環境破壊による2008年度の損害額は約530兆円に上ることが分かった。温暖化と関連ある農作物の被害や災害、窒素酸化物や硫黄酸化物などの大気汚染による健康被害などから世界の損害額を試算したもので、世界の国内総生産(GDP)総計の11%に相当する額となる。国連環境計画では、現在のまま推移すれば、2050年度の損害額は約2288兆円にも達し、今後、世界経済の大きなリスクになると警告を発しつつ、「環境対策への投資は意義あるものだ」と強調している。



高齢者の医療費1人当たり85万円

厚生労働省は2008年度医療実績についての集計調査を行ったところ、75歳以上の高齢者の1人当たり医療費全国平均は85万2千円であることが分かった。このうち、入院が43万1千円、外来が39万5千円などとなっている。都道府県別にみると、福岡県が105万6千円で最も高く、高知県(101万6千円)、北海道(101万2千円)が続いた。一方、最も少なかったのは、長野県が71万円で、新潟県と岩手県が71万2千円で続いた。都道府県での最大格差は1.49倍にもなり、格差の要因として「入院医療」が多い地域ほど医療費がかさんでいる。背景には、一人暮らし老人や家庭での介護が困難といった「社会的入院」が多く、医療費水準を押し上げており、社会的入院の解消が急務といえる。



分別収集計画、紙包装は52%どまり

環境省のまとめによると、容器包装リサイクル法に基づく全国1750市町村が策定した今後5年間の分別集計画で、紙包装ごみを分別収集するのは920自治体で、全体の52.6%にとどまっていることが明らかになった。缶やガラス瓶、ペットボトルなどは90%以上の自治体で、また、食品トレーなどのプラスチック製容器は80.6%の自治体で分別収集する計画を立てているのに比べ、紙包装の分別収集は立ち遅れている実態となっている。同省によると、「分別や洗浄の手間に加え、紙包装は古紙回収に回る量が多い」ことなどが背景にあるとみている。



日本の人口、4年連続で自然減に

厚生労働省は2010年の「人口動態統計年間推計」によると、死亡数が出生数を12万3千人上回る自然減となったことが明らかになった。自然減は4年連続で、減少幅は統計を開始した1899年以来の111年間で初めて10万人を超えた。死亡数が前年より約5万2千人と大幅に増えたことが起因しているが、同省では「7~8月に死亡数が多く、昨夏の猛暑が影響したのでは」と分析している。死因順位別にみると、「悪性新生物」が最も多く、「心疾患」、「脳血管疾患」が続いた。また、婚姻数は70万6千組、離婚数は25万1千組だった。



34%が「臓器移植、望ましい」

国立保健医療科学院研究グループの調査によると、臓器移植を「望ましい」と肯定的に考えている人は34%、「まあよい」とする容認する考えの人は54%であることが分かった。「望ましい」と肯定的な割合は、ドイツが82%で最も高く、英国が73%、米国が72%、そしてフランスが61%だったのに比較すると、日本は欧米諸国の半分程度となっている。研究グループでは、「より臓器移植に関する情報提供が必要」と分析している。



昨年、8500人超が裁判員を経験

共同通信の集計によると、全国60地裁・地裁支部で2010年実施された裁判員裁判は1421件あり、8500人を超える有権者が裁判員を経験したことが判明した。また、最高裁の集計によると、「重要な用務」などを理由に裁判員を辞退した人は5万1376人で、辞退率は51.8%だった。昨年の裁判員裁判は、前年(138件)の10.3倍にも達した。



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