厚生労働省は2008年度医療実績についての集計調査を行ったところ、75歳以上の高齢者の1人当たり医療費全国平均は85万2千円であることが分かった。このうち、入院が43万1千円、外来が39万5千円などとなっている。都道府県別にみると、福岡県が105万6千円で最も高く、高知県(101万6千円)、北海道(101万2千円)が続いた。一方、最も少なかったのは、長野県が71万円で、新潟県と岩手県が71万2千円で続いた。都道府県での最大格差は1.49倍にもなり、格差の要因として「入院医療」が多い地域ほど医療費がかさんでいる。背景には、一人暮らし老人や家庭での介護が困難といった「社会的入院」が多く、医療費水準を押し上げており、社会的入院の解消が急務といえる。 |