社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年11月30日号

大卒内定率、過去最悪の57.6%に

文科省と厚労省の調査によると、来春卒業予定の大学生の10月1日時点での就職内定率が57.6%で、調査開始の1996年度以降で最悪になった。2000年代前半の就職氷河期をも大きく下回っている。男子が前年同期比3.8ポイント低下の59.5%、女子は同6.3ポイント低下の55.3%となった。また、理系が同10.2ポイントもの大幅な低下となり、内定率は58.3%になった。また、来春高校を卒業する就職希望者の内定率は9月末時点で、前年同期を3.0ポイント下回る40.6%となっている。高校、大学ともに就職「超」氷河期にある。



76%が「自分や家族の介護」に不安

内閣府が行った「介護保険に関する世論調査」によると、自身や家族に将来介護が必要になることへの不安を抱いている人が4分の3を超えることが分かった。7年前の前回調査より5ポイント以上も増えており、老後に寝たきりや認知症になることへの不安が増していることを浮き彫りにしている。また、介護保険料の増加を抑える方法を尋ねたところ、「公費(税金)負担割合の引き上げ」(43.1%)で最も多く、「保険料増加はやむをえない」(35.7%)、「40歳未満からも保険料を徴収」(29.1%)が続いた。さらに、行政が重点を置くべき施策として、「介護人材確保のための賃金アップなどの処遇改善」(52.0%)が最多だった。



訪日外国人数、目標到達は困難に

独立行政法人国際観光振興機構がまとめた1~10月の訪日外国人訪問者数は約733万人となり、政府目標としていた「2010年に1000万人」には到達しないことが確実視されることとなった。10月の訪日外国人数は前年同月比11%増の約73万人だったが、9月まで前年比約4割増で増えていた中国人旅行客が尖閣諸島問題を契機に減少に転じたことが響いている。今後も中国人旅行客の増加は見込めないため、政府目標の見直しを観光庁は検討を始めた。



サラリーマンの「時給」減少が続く

第一生命経済研究所が国税庁の民間給与実態や厚労省の毎月勤労統計をもとに、サラリーマンの給与総額を労働時間で割った「時給」を算出したところ、9月時点での時給は2408円になることが明らかになった。1990年代後半の2500円前後から減少し続けている。時給が減少している背景には賞与カットが主因であると同研究所は指摘している。事実、賞与が直近でピークだった1997年比で38%も減少している。同研究所では、「残業は増えても年収が増えない構図となっており、サラリーマンの閉塞感を強めている」と分析している。



教育費が年収の37%に達し、過去最高

日本政策金融公庫が教育ローンの利用者を対象にした調査によると、小学生以上の子供を持つ家庭の教育費(在学費用)は平均で年198万2千円だったことが判明した。年収の37.6%に達し、2000年度以降で最も高い負担割合となっている。年収が不景気の影響で減少する一方、授業料や塾代などの在学費用が増加していることが負担割合を押し上げた。とくに、年収が「200~400万円未満」での負担割合は56.5%と、相当に苦しい実態にある。また、教育費の捻出方法では、旅行やレジャー費をはじめとした教育費以外の分野での節約が最も多かった。



災害時の「水の備え」、半数がしていない

ミツカン水の文化センターが行った地震などの大規模災害に対処しての「水の備え」の実態調査によると、「何もしていない」人が最多の46%(複数回答)にも上った。「市販のミネラルウォーターの買い置き」は40%、「風呂の水をいつもためておく」が17%だった。同センターでは「蛇口をひねれば水道水が出てくるという安心感が備えを怠らせている」と分析している。ちなみに、消防庁が提唱している飲料水備蓄の目安は、「一人当たり 1日3リットル×3日分」である。



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