社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年11月16日号

08年度社会保障給付、過去最高額に

国立社会保障・人口問題研究所が発表した2008年度の年金・医療・介護などにかかった社会保障給付費は過去最高を更新する94兆848億円に上ることが明らかになった。社会保障の個別項目でみると、年金が前年度比2.6%増の49兆5千億円、医療が同2.3%増の29兆6千億円、福祉その他で同5.1%増の14兆9千億円となっている。また、08年度は景気の落ち込みで国民所得が大きく減り、社会保障に対する支出が増加したため、国民所得に占める割合も過去最高の26.8%となった。同研究所では「高齢化が続くため、増加トレンドは変わらない」としている。大規模な増税か大胆な社会保障費歳出の抑制でしか改善は見込めない実情にある。



国の不適切経理、過去最大の1.7兆円

会計検査院がまとめた国の2009年度決算検査報告書によると、不適切な経理処理は986件で、金額ベースでは過去最大となる1兆7904億円にも上ることが分かった。内訳をみると、税金の無駄遣いなどによる支出面で約1兆6054億円、税金の徴収漏れなどによる収入面で約1849億円を検査院は指摘した。指摘金額は前年度の7.5倍にも達した。なかでも独立行政法人である鉄道建設・運輸施設設備支援機構は旧国鉄から引き継いだ土地の売却益を主たる原資とする1.2兆円もの余剰金があると指摘するとともに、国土交通省に返納すべきだと求めた。



サービス業売上高、16年ぶりにマイナスに

日本経済新聞社がまとめた「2010年サービス業総合調査」によると、全体の売上高は前年を1.3%減少し、バブル崩壊後の1994年以来、16年ぶりにマイナスに転じたことが分かった。サービス業35業種を対象に調査し、19業種で前年割れとなっている。減少幅が大きかったのは、「その他サービス業」が18.6%減で最も大きく、「アミューズメント施設」(9.6%減)、「ホテル」(9.5%減)が続いた。一方、日常生活に密着した業種は好調を維持し、「保育サービス」(18.8%増)、「在宅・訪問介護」(16%増)の伸びが目立った。



後期高齢者医療制度廃止に59%が無知

内閣府が行った「高齢者医療制度に関する世論調査」によると、現在の後期高齢者医療制度を廃止し、2013年度から新たな制度の導入を検討していることについて、59.5%の人が「知らない」ことが分かった。導入を検討している新たな後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者のうち、約8割が市町村の運営する国民健康保険に移り、残り約2割が企業の健康保険組合に入ることになる。また調査では、高齢化の進展で増加する医療費の負担のあり方については、「税金による負担割合を増やす」が43.4%で最も多く、「税金、現役世代の保険料、高齢者の保険料を増やす」(32.9%)、「高齢者の負担を増やす」(12.0%)が続いた。



20年後、献血者数は約124万人分不足

日本赤十字社の推計調査によると、2030年における手術などで使用する輸血用血液製剤を確保するために必要な献血者数は約547万人だが、約124万人分が不足する実情に陥ることがわかった。過去5年間の輸血用血液製剤の供給本数や延べ献血者数に加え、将来推計人口を基に推計したもの。献血者数の減少が続く一方で、輸血用血液製剤の85%を使用している50歳以上の人口が増えることで需給バランスが崩れるとみている。



地方公務員数、5年間で約23万人減

総務省は2010年4月時点における地方公務員数は281万4千人となったと発表した。地方自治体の行政改革促した2005年度から5年間の「集中改革プラン」に基づく集計で、5年間の減少数は22万8千人となり、減少率は目標を上回る7.5%となった。地方公務員総数を行政分野別に見ると、国が定員に関する基準を幅広く定めている教育部門、警察部門、消防部門、福祉関係が約2/3(66.5%)を占めている。他方、一般行政部門は、組織の見直し、民間移譲・民間委託等により大幅に純減した。



『親』殺害事件、検挙件数は20年で1.7倍

閣議決定された「2010年版犯罪白書」によると、子が親を殺害した殺人事件の検挙数は121件となり、20年前の73件から約1.7倍も増加していることが明らかになった。また、放火事件で親族を狙った検挙数は20年前と比べ約29%増えており、重大犯罪全体で家族や親戚など身近な相手を対象とする傾向が強まってきている。



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