社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年10月26日号

法人実効税率、9年連続世界最高水準

スイス大手会計事務所のKPMGインターナショナルの調べによると、日本の国と地方を合わせた法人実効税率は40.69%で、世界平均の24.99%を大きく上回っていることが分かった。日本の実効税率は2002年から9年連続で高い状態が続いている。世界114か国の平均は、ここ10年間では6ポイント超も下がっており、世界の潮流とは乖離した日本の法人税率の高さが際立っている。経産省が来年度の税制改正に際して法人税率を5%引き下げる要望を出しており、財源問題との調整もあり、高すぎる法人税率引き下げが税制改正の焦点となってきた。



家計の金融資産、3年ぶりに増加へ

金融広報中央委員会が行った「2010年家計の金融行動に関する世論調査」によると、1世帯当たりの金融資産保有額は平均1169万円だったことが分かった。前年より45万円増加しており、3年ぶりに増加に転じた。資産保有額が増えた理由を尋ねたところ、「定期収入から貯蓄の割合を増やした」との答えが多く、預貯金は16万円増の635万円となった。金融資産を持つ目的として「老後の資金」と答えた人の割合が63.6%(複数回答)で、調査開始の1953年以来最も高かった。



製造業の開業数が過去最低に

経済産業省の調べによると、2009年末時点での製造業事業所のうち、過去1年以内に開業した数が1140にとどまり、過去最低となっていることが判明した。また、廃業数は3年連続で増加しており、06年の3402から09年は4537と1000超もの増加となっている。開業率は従業員規模が大きいほど高く、廃業は規模が小さいほど高くなっている。電子部品や情報通信分野での廃業多くみられるが、大手企業を中心に海外に生産拠点をシフトしているためとみられる。同省では「開業が細り、廃業が増える傾向は当面続く」とみており、日本のモノづくり基盤が弱体化しつつあるといえる。



上場企業の時価総額、東証は4位に転落

世界の主要52市場が加盟する国際取引所連盟(WFE)が各証券取引所の時価総額(ドルベース)の9月末時点集計によると、東京証券取引所の時価総額は3兆4237億ドル(約280兆円)で世界4位に後退したことが分かった。米ニューヨーク市場が12兆2784億ドルで首位となり、米ナスダック市場、英ロンドン市場と続いた。円高やデフレによる日本株の戻りが鈍いこともあり、8月末までは2位だったがナスダックとロンドンに抜かれた状況となっている。世界のベスト3からの東証の転落は1998年以来12年ぶりとなる。



交通事故死、10年ぶり増加の危惧

警察庁のまとめによると、今年の交通事故死者数が10月17日現在で3664人となり、前年同期を6人上回ったことが分かった。交通事故死者数は2000年以降9年連続で減ってきているが、昨年同期を上回ったことで、今年は10年ぶりに増加に転じる危惧が出てきた。都道府県別にみると、東京都(167人)で最も多く、北海道(159人)、茨城県(155人)が続いている。



赤字法人割合、初の70%超え

国税庁が公表した「2008年度分税務統計から見た法人企業の実態調査」によると、赤字法人は185万6575社となり、赤字法人割合が前年比4.4ポイント増の71.5%となったことが明らかになった。赤字法人割合の7割超は調査開始の1951年分以来初めてとなるほどに深刻な向きがあるとともに、一昨年の世界同時不況による業績悪化での企業収益の低迷が鮮明となった。事実、2008年度分の営業収入金額は、前年度比9.2%減の1419兆5138億円と5年ぶりに減少。黒字法人の営業収入金額も同27.0%減の834兆5336億円で5年ぶりに減少し、所得金額も同36.2%減の35兆2209億円と2年連続の減少と、ともに前年を大きく下回った。



給料の生活手当支給企業は減少に

厚生労働省の「2010年就労条件総合調査」によると、家族手当などの「5種類の生活手当」を企業が支給したかどうかを調べたところ、家族手当・住宅手当・地域手当・その他手当の4種類で05年調査より減少していたことが明らかになった。唯一、単身赴任手当だけが増加していた。大企業ほど「生活手当」支給する企業割合が高かった。



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