社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年10月05日号

民間給与、過去最大の下落額に

国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間企業に勤務する人の2009年の1年間に得た平均給与は約406万円となり、前年比23万7千円減少し、過去最大の下落額と減少率を記録したことが分かった。平均給与は1989年の402万円と同水準にある。09年の民間給与所得者数は4506万人で前年を82万人減少と過去最大の落ち込みとなっている。給与額の人数分布をみると、「300万円以下」が最多の42.0%、「300万円超500万円以下」が31.8%となっている一方、「500万円超1千万円以下」は22.4%、「1千万円超」は3.9%となっている。



日銀、銀行の基礎的収益力低下を指摘

日銀が公表した「金融システムレポート」、7月末時点での国内銀行が保有する国債残高は過去最高によると、国内の金融システムは増資による積み増しで安定性は維持しているものの、企業の資金需要の低迷と銀行間競争の激化で「基礎的な収益力は低下している」と指摘していることが分かった。同レポートは金融システムの現状や見通しをまとめた報告書で日銀が年2回まとめている。また、同レポートでは、国際金融システムについては「先行き不透明感が高まった状態にある」とし、海外発の金融危機が国内に波及するリスクに注意が必要だと指摘した。



札幌市、「魅力的な街」首位に返り咲く

民間シンクタンクであるブランド総合研究所が行った「最も魅力的な市区町村調査」の結果、札幌市が2年ぶりに首位となった。札幌市は2008年まで3年連続でトップの座にあったが、09年に函館に首位の座を明け渡していた。調査は47都道府県と1000市区町村を対象に認知度をはじめ63項目にわたる魅力度をアンケート形式で行ったもの。2位は函館市、3位は京都市、4位は横浜市、5位は小樽市となった。トップ10に富良野市が8位で入っており、北海道の4市が入っているのが注目される。大河ドラマ「龍馬伝」で注目を集めた長崎市は前年の13位から10位に躍進した。



国の機関での「全面禁煙」は24%止まり

人事院の受動喫煙防止対策調査によると、庁舎内を全面禁煙している中央省庁や出先機関は全体の24%に止まっていることが分かった。厚生労働省と環境省が同居するビルだけが中央省庁では全面禁煙で、他は分煙となっていた。喫煙場所の管理権を持つ533機関のうち、中央省庁の87%、出先機関の91%が「全面禁煙移行を考えていない」と回答していることも明らかになった。人事院の担当者は「たばこを吸うたびに外に出ると席を離れる時間が増える」こととなり、外に出る時間ロスを補完せざるを得ないため、全面禁煙に至らない理由を指摘している。



大学入学費用も節約志向が鮮明に

全国大学生活協同組合連合会の調査によると、今春の大学・短大の下宿する新入生の入学費用は、国公立大で183万3300円(前年比3.6%減)、私立大で218万3600円(同0.8%減)となっていることが分かった。大学の納付金や受験料はほぼ横ばいとなっているものの、下宿探し費用は平均で22万2400円と4.4%減少するとともに、家電・寝具などの生活用品購入費も28万7千円と前年比3.0%減となった。同連合会では、「入学納付金など入学するための費用は削れないため、住居探し費用や生活用品購入費用を節約している」とみている。



2025年の食糧消費を農水省が試算

農林水産省は2025年に向け日本の食糧消費がどう変化するかの試算をまとめたところ、25年の家計の食糧支出額は現状水準にあるものの、60歳以上の高齢者世帯の割合が上昇し、高齢者世帯の支出割合は現在の37%から一気に47.5%まで上昇することが分かった。こうした変化を受けて高齢者が飲食しやすい加工調理食品や、単身世帯が望む宅配サービスの需要が高まると予想している。



1年半ぶりに、個人の景況感が悪化に

日銀の9月の「生活意識に関するアンケート調査」で、個人の景況感を示す判断指数(DI)はマイナス42.1となり、前回調査の6月時点から0.9ポイント悪化した。1年半ぶりに悪化に転じた。急激な円高や株安で、先行き不安を抱く個人が増えているとみられる。また、今回の調査では、日本経済の将来について、「より低い成長しか見込めない」とする回答が前回より5.2ポイント多い64%に達した。



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