社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年10月12日号

外貨準備高、過去最高を更新

財務省は9月末の外貨準備高は1兆1096億ドルに達し、過去最高を更新したと発表した。9月に政府が円高対策で6年半ぶりに円売り介入したことによるもので、前月末比394億ドルの増加となり、昨年11月末以来10か月ぶりに過去最高を更新したことになる。外貨準備高の内訳をみとると、外貨建て証券が初めて1兆ドルを突破し、1兆317億ドルとなっている。



都道府県の歳出総額、11年ぶりに拡大

総務省が集計した都道府県の2009年度決算で、歳出総額が50兆2453億円で、前年度比6.1%増となり、11年ぶりに拡大に転じたことが分かった。国からの介護事業の臨時交付金や基金の積立金が前年度比86.9%と大幅に増加したことで歳出総額が増えている。一方、歳入総額は6.1%増の50兆9682億円。このうち地方税収は17.5%減少の16兆5088億円と大幅に減ったものの、地方交付税や臨時交付金などの国からの支出金が増えており、国からの支援失くしては財政運営できない地方自治体の実情を浮き彫りにしている。



経済困窮な就学援助対象が過去最多に

文部科学省の調査で、経済的に困窮する家庭に学用品代や修学旅行費などを援助する「就学援助制度」の受給対象となった児童生徒数は148万8113人に上ることが分かった。前年度より5万1982人増加し、過去最多となった。調査開始の1995年度は約76万人が対象だったが、15年間で約2倍にも膨れ上がっている。就学援助は、生活保護を受けている要保護世帯と、生活保護世帯に近い準要保護世帯とに対象が分類されるが、圧倒的に準要保護世帯(約135万人)が占めている。



個人向け国債応募額、過去最低

財務省によると、10月発行の個人向け国債の応募額(発行予定額)は865億となり、過去最低になったことが分かった。金利低下で魅力が薄らいだのが主因。前回の7月から固定金利3年物を発売しているが、投資妙味は低迷している。2004~07年での毎回の発行額は1兆~2兆円あったことを考慮すると、大幅に魅力は落ちている。このため、同省ではホームページ上で「あなたが欲しい国債」と題するアンケートをスタートさせ、商品の多様化ための検討素材としていく方針だ。



派遣労働者数、過去最大の減少に

厚生労働省は2009年度派遣労働者数が前年度比24.3%減少の約302万人になったと発表した。集計を開始した1986年以降で最大の減少率となった。08年の金融危機以降の景気低迷で、雇い止めが急増したのに加えて、規制強化を危惧して派遣契約を見直す企業が増えたことが背景にある。派遣労働者数の内訳は、派遣会社に予め登録し仕事がある時だけ働く「登録型」の労働者が206万人(前年比26.7%減)、派遣元が1年以上雇う見込みのある「常用型」の労働者は約96万人(同18.5%減)だった。



規制緩和の恩恵、国民1人約4.3万円

内閣府が規制緩和や制度改革で料金低下による消費者の恩恵は2005~2008年度の4年間で5.4兆円に達し、国民1人当たり換算で約4.3万円になるとの試算結果を発表した。試算は、携帯電話や酒類販売などの15分野の規制改革の効果を算出したもの。効果が最も大きかったのは携帯電話事業の1兆3700億円で、次いで石油製品の1兆2000億円、電力の1兆円が続いた。しかし、1990年代以降進めてきた国内航空やタクシー事業では大きな効果は見られなかったとしている。



熱中症での死者数が前年比10.4倍に

総務省消防庁の速報値によると、今夏に熱中症で医療機関に搬送された人は前年同期比4.2倍の5万6184人に達し、うち死亡した人は同10.4倍の172人に上り、いずれも最多となった。搬送された人を週別にみると、7月19~25日の週が最も多い9901人を記録しており、担当者は「梅雨明け直後の、体が適応しないうちに、急激に気温が上昇したことが原因ではないか」とみている。搬送者を年代別にみると、高齢者が全体の半数近い46.8%を占めた。



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