社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年09月21日号

税・社会保障の生涯負担に大きな地域差

内閣府が生涯を通じて税金や社会保険料の負担が社会保障の受益をどれだけ上回るかを示す「生涯純負担(1人当たり)」を都道府県別に初めて試算したところ、最も純負担が大きい東京都(4415万円)と最も少なかった沖縄県(248万円)では、約4200万円近い差があった。試算では、税金や社会保険料という負担から、年金や医療・介護などの社会保障費の合計である受益を差し引いた純負担額を計算したもの。税負担には法人税も含まれていて大都市圏では負担が大きくなっているが、内閣府では「所得の高い地域の負担が他の地域に回る再配分機能が働いている」と分析している。都道府県別の生涯純負担の平均値は2139万円だった。



協会けんぽ、11年度は9.57%にアップ

協会けんぽ事務局が運営委員会に対して2011年度の保険料率は9.57%に上昇するとの試算結果を報告した。協会けんぽは中小企業の会社員と家族が加入しており、現行の標準報酬月額の9.34%(全国平均)から0.23ポイント引き上げられる見通しとなった。加入者の賃金は減少しているものの、高齢化による医療費の増大を保険料率の引き上げで必要保険料収入を確保する考えだ。来年1月の運営委員会で正式決定し、4月支給分の給与から保険料負担が増えてきそうだ。



1人当りの介護保険料額は月15.7万円

厚生労働省の2009年度介護給付費実態調査によると、介護保険を使っている人の1人当たりの利用月額は平均15万7300円となっていることが分かった。介護保険は介護が必要と判定された人が利用できるもので、介護状態が軽い人で重度化を防止する「介護予防サービス」と、通常の「介護サービス」とに分類される。介護予防サービスの1人当たり利用月額は4万円、介護サービスは18万8300円となっている。介護予防サービスで最も利用額が多かったのは福井で4.36万円、介護サービスでは沖縄の20.95万円だった。



20代の4割が海外就労に関心を抱く

内閣府が初めて行った「労働者の国際移動に関する世論調査」によると、20代の40.0%が外国で働くことに関心を持っていることが分かった。30代でも33.7%関心を寄せており、若い世代ほど海外就労に関心を持っていた。働きたい国や地域を複数回答で尋ねたところ、米国が48.0%で最も多く、フランスなどの西欧諸国の43.9%が続き、欧米が半数近く占めた一方で、中国(22.8%)や韓国(12.6%)は欧米の半分以下にとどまった。



教員採用競争率、地域間で格差が

文部科学省の調査によると、2009年度の都道府県と政令指定都市の教育委員会が行った公立小中高校などの教員採用試験の全国平均競争率は前年度より0.1ポイント上昇の6.2倍だったことが分かった。採用数は団塊世代教員の大量退職を前に増加し、昨年度は2万6910人が採用された。学校種別の競争率でみると、小学校が4.4倍、中学校が8.7倍、高校が8.1倍となっているとともに、養護教諭が9.4倍、栄養教諭が7.5倍となった。また競争率を自治体別にみると、沖縄県が17.4倍と最も高く、川崎市は3.6倍と最も低くなっており、教員人気は地域間で格差がみられた。



子ども手当で38%の世帯で所得増に

内閣府が公表した子ども手当や高校無償化が家計に与える影響の試算結果によると、月額2万6千円の子ども手当を満額支給し、所得税の扶養控除などを廃止すると、日本の5千万強の世帯のうち38%で所得が増えることが明らかになった。その一方で、負担が純増する世帯も19%にも上る結果となった。



100歳以上高齢者数、過去最多を更新

厚生労働省の調査によると、9月15日時点で100歳以上の高齢者数は4万4449人となり、過去最多を更新したことが分かった。前年より4050人増加し、40年連続の増加となっている。100歳以上の高齢者のうち、女性が全体の86.8%を占める3万8580人となり、女性が占める割合も過去最高となった。都道府県別に人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数のトップは島根県の74.37人で、これまで37年連続トップだった沖縄(66.71人)を抜いた。



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