社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年10月19日号

中国、過去最大の日本国債売り越し

財務省が発表した8月の国際収支統計によると、中国の日本国債の売り越し額は単月で過去最大の2兆182億円に上ることが判明した。世界最大の外貨準備高を誇る中国が財政危機に陥ったギリシャ国債を買い増すなどの外交カード化を示しているだけに、日中関係のきしみが背景にあるのではと憶測を呼んでおり、尖閣諸島問題が起きた9月の中国の日本国債売買がどう動いているかに焦点に集まっている。日本国債の売り越しは長期金利を押し上げる要因ともなり、財務省幹部も「注視したい」との声も聞かれる。



会計検査院、特会での余剰金を指摘

会計検査院は、厚労省や国交省などが所管する7つの特別会計(特会)で一般会計から繰り入れられて余剰になっている資金は2008年度で合計約1623億円に達していると指摘した。指摘された余剰金で最も多かったのは厚労省所管の労働保険特会で約1102億円が余剰と指摘された。同特会は、雇用保険の給付金のうち国費負担分を一般会計から繰り入れているもので、資金が余った際には翌年度の繰入額を減額することになっているが、予算計上した額を全額繰り入れていた。10月末から始まる「事業仕分け第3弾」が特別会計を対象にしているだけに、会計検査院の指摘は議論の俎上に上ることは必至とみられる。



有給休暇の平均取得は8.5日に

厚生労働省の2010年の就労条件総合調査によると、有給休暇の平均取得日数は前年と同水準の8.5日にとどまることが分かった。取得率は47.1%だった。また、
年俸制を導入している企業は13.4%となり、1996年以降で最も高くなっている。さらに、定年年齢を65歳以上に設定している企業は全体で13.3%にとどまり、ほぼ横ばいだった。定年を迎えた社員を再雇用するなどの継続雇用の制度を持つ企業は91.3%となっていた。



9月のタバコ販売、前年同月の1.9倍に

日本たばこ協会は9月の国内たばこ販売数量は前年同月を88%も上回る374億本になったと発表した。10月1日のたばこ増税による大幅な値上げを前にした買いだめが販売数量を大幅に引き上げた。また、日本貨物鉄道が発表した9月のコンテナ輸送量によると、たばこ製品の輸送量は前年同月比42.2%増となり、買いだめによる出荷増を裏付けている。



若年層可処分所得、初めて女性が上回る

総務省の09年全国消費実態調査で、30歳未満の若年層の可処分所得は女性が21万8100円となり、調査開始の1969年以降初めて男性を上回ったことが分かった。男性は女性を2600円下回った。背景には、男性の就労比率が高い製造業での雇用と賃金の減少がある一方で、女性比率の高い医療・介護分野での労働力需要の高まりがあり、それらが可処分所得を逆転させた。女性の収入水準が高まることで就労意欲が高まれば少子高齢化で減少する労働力不足を補完するとともに、消費の下支えともなり、慶応大の樋口教授は「結婚後も女性が仕事を続けられる環境整備を政府や企業は進める必要がある」と指摘している。



85%が「将来の食糧輸入」に不安

内閣府が行った「食料の供給に関する特別世論調査」によると、将来の食料輸入に対して85.9%の人が「不安がある」と回答していることが分かった。食料輸入への不安理由(複数回答)として、「異常気象や災害による海外の不作の可能性がある」(59.2%)が最も多く、「地球環境問題の深刻化や砂漠化の進行などで食料増産には限界がある」(49.8%)、「国際情勢の変化で、食料や石油などの輸入が大きく減ったり止まったりする可能性がある」(48.0%)が続いた。こうした不安を背景に、今後の食料自給率については90.7%の人が「高めるべきだ」と答えている。



高齢者の万引き、過去最悪ペースに

警察庁のまとめによると、万引きで摘発された65歳以上の高齢者は今年1~9月までに2万82人となり、過去最悪となった昨年の同時期を0.7%上回っていることが判明した。高齢者の万引き摘発は1990年の3675人を底にして、昨年まで19年連続で増加している。年代別で最多の14~19歳の少年は2万681人だったが、同年代は0.7%減っている状況にあることを考慮すると、高齢者の摘発数は高止まりを続けていると言わざるを得ない。同庁の09年調査の分析では、高齢者万引きの背景には「孤独」が4分の1を占めていると指摘している。



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