財務省は、バブル崩壊後の1991年度以降の、いわゆる「失われた20年」で、国の社会保障費は累計で148兆円増加した一方で、税収は同211兆円減少したため、国債発行残高は増加したとする分析結果を公表した。20年間の歳出でみると、公共事業費(累計62兆円増)と社会保障費が突出して伸びたのが際立っている。歳入は景気低迷による税収減に加えて、相次いだ減税が響いている。このため国債発行残高は471兆円増加し、旧国鉄債務の継承などの増加分(約53兆円)を差し引くと実質的には361兆円となる。このうち、歳出をカバーする分が192兆円、歳入不足をカバーする分が169兆円となっている。 |