社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年08月31日号

猛暑が家計消費支出を押し上げ

総務省がまとめた7月の家計調査によると、猛暑を背景として、エアコンや飲料などの猛暑関連商品の支出が伸び、前年同期比1.1%消費支出が増加していることが明らかになった。扇風機や除湿器などの冷暖房器具が前年同期比66.8%増えたのをはじめ、エコポイント制度もあって、エアコンは同52.2%もの大幅な伸びを示した。また、食料品もアイスクリームや飲料が2ケタの伸びとなった。三菱モルガンスタンレー証券景気循環研究所では、こうした7~8月の夏物消費は平年より2600億円押し上げると試算している。まだ続くとみられる猛暑に加えて、エコカー補助の対象期限が9月末に迫り、駆け込み需要も見込まれており、8~9月も個人消費は伸びるとみられる。



中国、トウモロコシの純輸入国に

中国農業省は今年1~6月のトウモロコシの輸入量は前年同期比約26倍にもあたる8万8千トンとなり、輸出量の8万トンを8千トン上回ったと発表した。昨年の干ばつ不作に加えて、食肉の飼料用の需要が急増しているとみられ、輸入の超過幅は通年で100万トン前後に達するものとみられる。中国の穀物貿易では大豆が1990年代後半から輸入超過となる「純輸入国」に転じており、トウモロコシがこれに続く可能性が高くなっており、穀物の国際市場に大きな変化をもたらすものとみられる。ちなみに、小麦とコメは大幅な輸出超過となっている。



一般家庭向け電力需要は過去最高に

電気事業連合会がまとめた7月の電力需要実績によると、猛暑の影響を背景に一般家庭向け需要は225億8200万キロワット時となり、電力10社体制となった1972年以来過去最高になったことが分かった。8月も気温35度を超える猛暑日が全国的に増えており、さらに過去最高を更新する可能性が高いとみられる。一方、産業用大口電力も8か月連続でプラスとなっているが、今後は進む円高の輸出関連産業への影響やエコカー補助金の打ち切りで自動車関連での電力需要の落ち込みは避けられそうにないとみられる。



植物のCO2貯蔵能力が低下

米航空宇宙局(NASA)が行った人口衛星による観測によると、地球温暖化に伴う干ばつの増加によって陸生植物の成長が遅れて、二酸化炭素(CO2)を吸収して貯蔵する能力が低下していることが分かった。NASAの地球観測衛星「テラ」によって得られたデータを分析したところ、1982~99年に陸上の植物全体でCO2を貯蔵する能力は6%上昇したのに対して、2000~10年では1%低下していた。公開された03年分析図での日本の陸生植物がCO2貯蔵能力は、九州南部・四国・紀伊半島で低下した一方で、北海道・東北は上昇していた。



メタボ健診指導、多い「途中あきらめ」

厚生労働省のまとめによると、2008年からスタートした特定健診(メタボ健診)で特定保健指導の対象となった人は約394万人で、このうち保健師などによる指導を最後まで終了した人は約31万人にとどまっていることが分かった。指導終了者は特定保健指導対象者の7.8%にとどまり、大半の人が最後まで指導を受けなかった。特定健診は40~74歳を対象に、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を改善して生活習慣病を予防するために導入されたが、受診率は全国目標とした70%の半分程度となる38.8%と低迷している。



電子マネー決済が34.5%増加

主要6電子マネーの7月の総決済件数は前年同月比34.5%増加の1億7764万件に及んだ。利用に応じてポイントがたまることで電子マネー支払が伸びたのに加えて、猛暑で自販機やコンビニエンスでの利用が増えた。電子マネーは7か月連続で前年同月を3割以上も上回ってきており、確実に利用者のすそ野を拡げてきている。



交流少ない高齢者の高い介護リスク

日本福祉大学研究チームの調査によると、友人や別居家族らと交流が少ない高齢者は、交流の多い人と比べて、介護が1.28倍ほど必要な状態になりやすいことが判明した。同研究チームは65歳以上の自立している1万3310人を4年間にわたって追跡調査したもの。同研究チームは「介護予防の面からも、孤立状態の解消が必要だ」とみている。



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