社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年09月07日号

36%の企業が「円高は売上に悪影響」

帝国データバンク行った「円高に対する企業の意識調査」によると、36.7%の企業が「円高が自社の売上に悪影響を与える」と回答していることが分かった。「影響がない」は34.9%で、「好影響」は6.9%にとどまった。輸送用機器などの輸出関連の製造業をはじめ、外国人観光客を受け入れる旅館・ホテルなどで、円高による売上高への悪影響を懸念している。また、海外と直接取引のない業種でも、取引先の輸出減少による間接的な悪影響を危惧する企業も多いとみられる。



厚生年金加入記録、260万件不一致

日本年金機構の公表によると、厚生年金基金の加入記録約4000万件のうち、約260万件が国の年金記録と一致していない可能性があることが判明した。年金記録問題が表面化したのを受けて、昨春から国が保有する基礎年金番号や加入期間、標準報酬月額といった記録を各基金に提供して基金の記録との照合作業を進めていた。このうち、転職者などの記録を管理する企業年金連合会で、記録の6.4%に不一致がみられ、厚生年金基金の約4000万件の全記録に対する推計不一致件数は約260万件に及ぶことになる。



8月、国内新車販売台数は37%増加

日本自動車販売協会連合会がまとめた8月の国内新車販売台数(軽自動車を含む)は42万4986台となり、前年同期比37.7%増加していることが分かった。エコカー補助金の9月末終了を前にしての駆け込み需要が増し、補助金の恩恵が大きい登録車(660cc)は販売台数が46.7%増となり、8月の伸びとしては過去最高となった。しかし、10月以降の補助金終了後はその反動で販売が減少していくことが確実視されており、メーカー各社は販売急減を緩和するために知恵を絞り出している。燃費効率を上げたり、外観を変えたりと、大きな投資を伴わない対応で顧客つなぎ留めを図る方針だ。



生保二重課税、10月下旬から還付

国税庁は、7月に最高裁が二重課税にあたると判断した年金払い方式の生命保険での取り過ぎた所得税の還付を10月下旬から行う方針を固めた。複数年にわたって受け取る保険金のうち、1年目の所得税を全額還付し、元本分と運用益との支払いを受ける2年目以降の分についても元本分にかかる所得税について時効になる前の5年分にさかのぼり、還付する方針である。還付対象となる契約者数は過去5年で最大20万件に及ぶとみられるが、このうち所得として申告していない者も多いとみられている。



なおも需給不足は約25兆円水準に

内閣府は実際の需要と潜在的な供給力との差を表す「需給ギャップ」が2010年4―6月期にマイナス4.8%になったと発表した。年率換算での金額でみると、約25兆円の需要不足となる。需要不足は設備や雇用が過剰な状態にあり、投資活動や人材採用に慎重となり、経済全体に対しては悪影響をもたらす。同期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率で0.4%増との小さな伸びにとどまったため、需要不足の解消までには至らず、足踏み状態といえる。



25%の企業で既卒者の応募を受け付け

厚生労働省が発表した2010年8月の労働経済動向調査で、正社員の募集に際して過去1年間の既卒者の応募受付状況を尋ねたところ、新卒者枠で応募可能とする企業は25%に上ることが分かった。新卒枠で応募を受け付けている企業を業種別にみると、情報通信業(47%)、医療・福祉(40%)で高い一方で、サービス業や不動産業は低かった。



最も脅威に感じるのは「自然災害」

三菱総合研究所の調査によると、個人として最も脅威に感じるリスクを尋ねたところ、44%の人が「自然災害の発生」だと考えており、最も多いことが分かった。続いて、「大規模感染症の発生」、「雇用問題」「テロ」「犯罪増加」「金融破たん」の順で脅威を指摘した。自然災害の発生を脅威として挙げた背景には、「ゲリラ豪雨などの気候変動に伴う極端な現象の増加が寄与した可能性がある」と同研究所では分析している。しかし調査では、7割強の人は「自然災害の発生への対策は講じていない」ことも明らかになった。



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