社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年08月24日号

医療費3.5%増で、最大の伸びに

厚生労働省がまとめた2009年度の概算医療費は前年度を1兆2千億円上回る35兆3千億円となり、伸び率は前年度比3.5%増となり、比較可能な01年度以降で最大の伸びとなったことが明らかになった。医療費が大きく伸びた背景には、高齢者の増加や費用の高い高度医療を受診する人が増えたことが挙げられる。概算医療費の全体の44%を70歳以上の高齢者の医療が占めており、さらには75歳以上の医療費は前年度比5.5%も増加している。高齢者の医療費増加に対して歯止めをかける仕組みを盛り込んだ高齢者医療制度の抜本改革が行われなければ、高齢者世代だけでなく現役世代の医療にも破綻を招きかねない。



住宅エコポイント、100億円分を突破

今年3月から受付が開始した「住宅エコポイント」の発行数が7月末時点での累計で108億2008万ポイントとなり、100億円分を突破したことが国土交通省の集計で分かった。省エネに直結する住宅の新築・改修時に商品と交換できる住宅エコポイント制度(1ポイント=1円相当)だが、国民の認知度が高まるにつれて発行数は増加している。7月だけでみても50億1442万ポイントとなっている。同省では「サッシメーカーや家電量販店も販売に力を入れており、発行数は今後さらに増加していく」とみている。



「失業期間1年以上」は118万人に

総務省は「4~6月期の労働力調査」で、完全失業者349万人(月平均)のうち、失業期間が「1年以上」という失業者は前年同期比で21万人多い118万人に達すると発表した。7四半期連続の増加となり、求人数の低迷で職に就けない実態を浮き彫りにした。完全失業者が仕事に就けない理由で最も多かったのは「希望する職種・内容の仕事がない」人が102万人にも及んだ。また、「条件にこだわらないが仕事がない」とする人も44万人いた。ちなみに、正社員数は前年同期比で51万人減少の3339万人、非正規社員は同58万人増加の1743万人となっており、企業が人員調整しやすい非正規社員の採用にウェイトを置く姿勢を続けていることを物語っている。



クラウド、20年までに40兆円市場を創出

経済産業省が公表した「クラウドコンピューティングと日本の競争力に関する研究会報告書」によると、2020年までに累計で40兆円規模のサービス市場を創出できると試算していることが分かった。クラウドコンピューティングは、ネットワークを通じて顧客管理や会計処理システムを提供する仕組み。専用のクライアント・ソフトは使わずWebブラウザ上から操作するため、パソコンやノートパソコンはもちろん、PDA(携帯情報端末)や携帯電話からでも利用できるようになる。同省はクラウドを活用すれば、ビジネスだけでなく、医療、教育など多方面で恩恵が受けられるとしている。



企業の保有設備年齢は13.68年に

第一生命経済研究所が試算した工場や機械などの「設備年齢」は2010年1~3月期時点で13.68年となり、過去最高齢になると発表した。設備年齢は新設からの平均保有年数で、1970年以降、長期的に上昇傾向にある。直近で見ても、1994年が10年、1998年が11年、2001年が12年と年々伸びてきている。バブル崩壊、リーマンショックなどの経済・金融危機に見舞われる企業各社が設備投資を抑制している姿勢が伺える。同研究所では、「当面、設備年齢の低下は期待できない。国際競争力はさらに落ち込む可能性がある」と指摘している。



人間ドック受診者の9割超が「異常あり」

日本人間ドック学会は、昨年1年間に人間ドックを受診して生活習慣病と関連深い検査項目で「異常あり」とされた人の割合が90.5%に上ると発表した。同学会では「受診者の高齢化と経済不況のストレスを原因とする生活習慣が悪化しているのでは」とみている。生活習慣病と関連深い6つの検査項目のうち、4項目で前年より割合が上昇していた。最も異常割合が多かったのは、「高コレステロール」の26.5%で、「肥満」(26.3%)、「肝機能異常」(25.8%)、「耐糖能異常」(18.5%)、「高血圧」(18.3%)が続いた。



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