社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年08月17日号

自家用車保有、初めて減少に転じる

5年ごとに自家用車保有状況を調べている総務省は2009年時点の1世帯当たりの保有台数は1964年以来初めてマイナスに転じた。前回調査の04年を2.2%下回った。軽自動車は前回調査(04年)を8.6%増となったものの、小型自動車は同6.6%減、普通自動車は同12.8%減となった。都道府県別にみると、04年比で最も減少率が大きかったのは神奈川県で、千葉県・埼玉県・東京都が続き大都市圏での減少が目立った。一方、山梨県をはじめ新潟県や島根県といった地方部では増加傾向がみられるとともに、保有者である65歳以上の高齢化率も高く、公共交通機関も少ない地方での身近な交通手段になっている実態も浮き彫りにした。



「景気対策」を望む声、過去最高に

内閣府の「国民生活に関する世論調査」で、政府が今後、力を入れるべきことを尋ねたところ(複数回答)、「医療・年金などの社会保障の整備」が69.6%で依然最も多く、次いで、「景気対策」が69.3%で続いた。「社会保障の整備」は前年比1.2ポイント低下したのに対して、「景気対策」は同6.8ポイント上昇して首位に肉薄し、景気対策を望む声は、調査開始の1972年以降で最も高くなった。また、「財政健全化の推進」も同8.6ポイント上昇し、25.5%まで急上昇してきた。政府に望むこうした3つの政策課題を国民が提起する背景には、不安感が拭えない中で有効な政策を打ち出し切れていない政権へのイライラ感が垣間見て取れる。



外国人旅行者の期待は「食事」

日本政府観光局が2009年に日本を訪れた外国人旅行者を対象にした調査したところ、来日前に期待したことは「食事」「ショッピング」「温泉」の順であることが分かった。とくに「食事」は初めて「ショッピング」を抜き首位となり、今後、「食事」は日本観光の大きな魅力となってきた。さらに、食事で「満足した」メニューを尋ねると(複数回答)、「すし」(42%)が断トツで、「ラーメン」(21%)、「刺し身」(20%)が続いた。



年金保険料の悪質滞納を国税庁が徴収

厚生労働相は、1月の日本年金機構発足に伴って施行された改正国民年金法に基づいて、国民年金保険料の悪質な滞納者に対して、国税庁に財産差し押さえを含めた強制徴収を委任する考えを固めた。所得が1000万円以上あるにも変わらず、国民年金保険料を2年以上滞っている加入者を悪質な滞納者と想定している。国民年金の未納者は321万人に及ぶが、悪質な滞納者に限定すると強制徴収対象となるのは約400人程度とみられ、各地方の国税局の特別整理部門の職員が担当することになる。



アジアの中間所得層は10年後、2倍超に

財団法人総合研究開発機構がまとめた日本を除くアジア主要国の中間所得層と高所得層に関する予測調査によると、2020年の両所得層の人口は08年9.4億人から19.5億人と2倍以上に膨らむことが分かった。中国・韓国・インドなどのアジア10か国が予測対象。可処分所得が年5千~3万5千ドルに達する人を中間所得層とし、これ以上を高所得層とした。アジア各国の経済成長により所得が増加していくことは、日本企業の製造業や小売業でのビジネスチャンス拡大がもたらされるものとみられる。



新任役員が抱く業績回復策は「営業強化」

日本能率協会が今年1~6月に新任された上場企業の役員を対象にした「新任役員の素顔に関する調査」で、業績回復施策として「営業力の強化」を挙げる人が前年より7.2ポイント上昇の40.9%に達したことが分かった。また同時に、営業基盤を強固なものにするための「人材の確保」も7.4ポイント上昇の19.4%に達する一方、昨年調査で上位だった「コスト削減」は低下がみられ、「守り」から「攻め」の姿勢を強めていることが鮮明となっている。



「国の借金」、初めて900兆円を突破

財務省は2010年6月末の国債や借入を合わせた「国の借金」は904兆772億円になったと発表した。初めて900兆円を突破したことになり、2010年度末には973兆円に達する見通しで、2011年度中には1000兆円を超えることが確実視されてきた。名目国内総生産(GDP)の1.9倍となり、依然、先進主要国で突出した状態にある。国債は金融機関など国内機関投資家によって支えられてきたが、高齢化による貯蓄率低迷でこれまでのような安定消化は厳しい情勢にある。



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