社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年08月03日号

経済財政白書、デフレ脱却困難を指摘

政府の2010年度経済財政白書(年次経済財政報告)によると、日本は過去20年程度にわたって慢性的な需要不足が続き、デフレからの脱却が困難になったと指摘したうえで、企業部門よりも家計部門を中心とする内需拡大による日本経済の再生の必要性があるとした。また白書では、国内景気は昨春から持ち直しつつあり、今後、個人消費や設備投資が安定的に伸びれば、景気腰折れの可能性は低くなるとみる一方で、欧州の信用不安や中国のバブル懸念などの世界経済の減速リスクもあり、「注意が必要」との考えを強調している。



38道府県で人口が減少に

総務省は今年3月末時点で住民基本台帳に基づく我が国の総人口は1億2705万7860人と発表した。前年同期比で1万8323人の減少となり、3年ぶりに減少に転じたことになる。死亡数が出生数を上回る「人口の自然減」によるもので、自然減は30年ぶりに最多となった。また、都道府県ごとにみると、首都圏を除く38道府県で人口が減少し、20県で「65歳以上」の高齢人口の割合が25%超となった。さらに、働き手である15歳~64歳の生産人口は8118万7923人と過去最少となった。高齢化と労働力人口減少は、潜在成長率の低下を招くとともに税収減となり、その一方では社会保障負担増は避けられないものとなっている。



労働審判、過去最高を更新

2006年にスタートした、労働紛争を迅速に解決する「労働審判制度」の昨年の申立件数は3468件となったことが明らかになった。導入時の4年前は年877件にとどまったが、4年間で約4倍に達した。背景には、長引く不況での給与未払いや解雇などをめぐるトラブルがある。事実、申立件数の内訳では、解雇などを巡る地位確認が1701件と半数を占め、次いで賃金などの1059件、退職金の205件が続いた。労働審判は3回以内の審理で調停、または審判で解決案を提示し、合意すれば裁判上の和解と同じ効力が生じる。スピーディに短期間で労働紛争が解決できる利便性が急増の背景にある。



「ひきこもり」、全国で推計69万人に

内閣府の調査によると、「ひきこもり」状態にある若者が全国で推計約69万6千人いることが判明した。調査は無作為抽出した15~39歳の5千人を対象に実施(有効回答65.7%)。「ひきこもり」は、精神疾患や病気以外の理由で「家や部屋から出ない状態が半年以上続く」ことを定義し、調査では59人(1.8%)が該当した。「ひきこもり」状態になった動機(複数回答)では、「職場になじめなかった」「病気」が23.7%で最も多かった。次いで、「就職活動がうまくいかなかった」(20.3%)、「不登校」(11.9%)が続いた。また、「部屋に閉じこもりたくなる」というひきこもり傾向のあった人も131人(4.0%)あり、全国推計値では155万人に達する。



パソコン出荷、7か月連続の2ケタ増

電子情報技術産業協会は、2010年6月のパソコン出荷台数は92万5千台に達したと発表した。前年同月比34.1%もの増加で、7か月連続で出荷台数は2ケタ増となった。好調な背景には、法人向け需要に加え、ボーナス商戦が押し上げた。出荷内訳をみると、デスクトップ型が54.7%増の29万6千台、ノート型が26.2%増の62万9千台となっている。パソコン出荷は、金融危機以降、法人向け需要が低迷してきたが、米マイクロソフトの新基本ソフトである「ウィンドウズ7」への切り替えが進むなどして、企業のIT投資が回復したものとみられる。



日本人の平均寿命、過去最高を更新

厚生労働省が発表した2009年「簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男女とも過去最高を更新し、女性が86.44歳、男性が79.59歳となった。平均寿命は、その年に生まれた子供が何年生きられるかを示す数値となる。将来、三大死因(がん・心疾患・脳血管疾患)で死亡する確率は女性が51.48%、男性が54.65%で、これらの三大死因の疾患がすべて克服される場合の平均寿命を試算では、女性は6.99歳延びて93.43歳、男性が8.04歳延びて87.63歳となる。医療水準が向上すると、さらに日本人は長寿化に拍車がかりそうだ。



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