社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年07月20日号

日本の投資マネー、ユーロ離れ

投資信託協会のまとめによると、個人資金の受け皿となる公募投資信託のユーロ建て資産は6月末時点で3兆5690億円となり、昨年12月末に比べ2兆1164億円も減っていることが明らかになった。ユーロ圏は財政問題を抱えているだけに、ユーロ離れが急速に進んでいる。生命保険会社や年金基金などの機関投資家もユーロ圏向け投資を減らしてきている。7月中旬に米格付け会社がポルトガル国債の長期信用格付けを引き下げており、一段とユーロ資産の圧縮に拍車が掛かるものとみられている。



日本の金保有額は10年で4.6倍に

財務省によると、日本の外貨準備高のなかで保有している金は6月末時点で306億ドルに達し、2000年4月時点からの10年間で約4.6倍に膨らんでいることが明らかになった。過重流動性の不安が広がる米ドルに加えて、財政問題を抱えるユーロへの不信もあり、安全資産としての金の価格高騰を受けて保有額が大きく引き上げたことが背景にある。日本の外貨準備高のうち、金は外貨証券に次ぐ資産となっていると財務省は発表している。



中古車登録台数は10年連続の減少に

日本自動車販売協会連合会は2010年1~6月の中古車登録台数は204万2741台となり、前年同期を6.4%減ったと発表した。上期集計では10年連続で減少したことになる。減少の背景には、新車購入補助金やエコカー減税といった政府の新車購入を優遇する支援策によって、中古車の割安感が薄らいだことが挙げられる。新車購入補助金が9月末で終了し、中古車販売が好転する期待もあるが、同連合会では「予想がつかない状況だ」として慎重な姿勢をみせている。



最低賃金、生活保護を下回る12都道府県

厚生労働省が中央最低賃金審議会に提出資料によると、最低賃金が生活保護を下回る都道府県が昨年より2県増えて、12都道府県に及ぶことが明らかになった。時給換算で、生活保護が最低賃金を上回った額が最も大きかったのは神奈川県の47円で、40円の東京都がこれに続いた。最低賃金が生活保護を下回ることは失業者の就労意欲を減退させる危惧があり、同審議会が決める2010年度最低賃金改定の改定幅を決める際に重要なポイントなる。



首都直下地震で財政破綻確率は3.5倍に

内閣府の経済社会総合研究所は、首都直下地震が発生した場合の日本経済に与える影響を試算したところ、復興の政府支出の増大で政府債務が拡大し、財政の破綻確率は平時の3.5倍まで高まるとの結果を発表した。試算では、2015年に首都直下地震が発生すると実質国内総生産(GDP)は1.9%(39兆円損失)押し下げられるものの、その後は復興需要で高い経済成長となるとしている。しかし、復興のための国債や地方債が積み上がり、財政破綻確率は、地震がなかった場合の12.2%から発生した場合には43.2%と高い確率に跳ね上がる。



ホームレスのうち約3割に知的障害が

ホームレス支援の「NPO法人ぼとむあっぷ研究会」が昨年末に都内の繁華街で男性ホームレス167人に面接による簡易知能検査をしたところ、約28%に知的機能に障害が認められた。知的障害を持っていた人の精神年齢は9~12歳程度だったが、中には6~9歳の精神年齢の人もあった。また、面接したホームレス全体の約4割にうつ病やアルコール依存症をはじめとする精神疾患も抱えていることも判明した。面接に当たった精神科医は「障害があることを本人も周囲も理解しないまま、職場や施設にいられなくなった人が多い」と指摘する。



自殺者減少だが、依然年3万人水準に

警察庁のまとめによると、今年1~6月までの全国での自殺者数は1万5906人で前年同期比1280人(7.4%減)減少していることが分かった。各月とも前年を下回っているものの、依然、12年連続で3万人台となった水準にある。男性が1万1354人と全体の7割を占めている。都道府県別にみると、最も減少が進んだのは北海道(40人減)で神奈川県(30人減)が続いた。逆に増えたのは、青森県と兵庫県(いずれも15人増)となった。上期の月別では、3月(2932人)が最も多かった。



総務省、資格・検定の実態調査を

総務省は、資格取得のための試験料が高額であったり、更新時に不要な講習を義務付けるなど、利用者に過度の負担を与えている資格・検定の実態調査に乗り出すことになった。各府省が所管する検定・資格制度は約400以上あり、利用者の過度な負担とともに、費用の使い道の不透明な部分などに実態調査を通じてメスを入れるものである。



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