社会・経済のうごき@しんぶん
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2010年06月29日号

国の債務超過額は317兆円に

財務省が発表した2008年度末における「国の資産と負債の状況」によると、負債が資産を上回る、いわゆる債務超過額は317兆4千億円に達することが明らかになった。08年に25兆8千億円の財源不足を補うための国債増発で負債が膨らんだのに加えて、円高による外貨建て資産が減少したことなどが影響している。債務超過は前年度より34兆7千億円増加した。また、同省は国と関係の深い独立行政法人や特殊法人などを加えた連結ベースでの貸借対照表も公表したが、ここでの債務超過額は314兆3千億円だった。



企業の手元資金は過去最大に

日銀の資金循環統計によると、3月末時点における金融部門を除く民間企業の手元資金(現金・預金)は202兆7123億円となり、統計比較可能な1980年以降で過去最大となることが分かった。企業の収益改善で資金繰りが好転するとともに、設備投資に慎重なため手元資金が増加しているとみられ、4月以降も増加基調が続いているものとみられる。企業の積極的な設備投資による、景気好転循環を生み出すため、政府は新成長戦略を策定するとともに、日銀も環境やエネルギーなどの成長分野を金融面から支援する新たな資金供給策を創設することを金融政策決定会合で決めるなどしてきている。



電子マネー決済件数、過去最高を更新

5月の「ナナコ」などの主要6電子マネーの決済件数が1億6135万件となり、月間ベースとしては過去最高となることが明らかになった。前年同月比で42.5%もの大幅な増加となっている。流通系の「ナナコ」「ワオン」の2電子マネーで51.5%と過半数を占めており、スーパーやコンビニでの利用が大きく決済件数を伸ばしたものとみられる。消費者が電子マネーの利用を通じてポイントを貯める志向の高まりが強まっていることが背景にある。



英国、来年から消費税率を20%に

英政府が発表した財政再建策によると、来年1月から消費税率を2.5%引き上げて20%とするとともに、子ども手当や福祉手当をカットするなどの思い切った緊縮財政に取り組む。リーマン・ショックでの財政出動から一転して、ギリシャ危機を契機にユーロ圏の財政危機局面で緊縮財政へと大きく舵を取ることになった。



女性の働く理由、「生計維持」が56%

社団法人日本ヒーブ協議会が行った「働く女性と暮らしの調査」で、女性が働く理由として「家計を維持するため」と答えた人が56.6%に達し、調査開始の1985年以降で最も高いものとなっていることが分かった。景況低迷にあって家計を支えようとする女性の意識を浮き彫りにしている。また、男女が仕事と家庭を両立するために不十分な制度として約7割の人が「保育園」「男性の育児休業等の取得」を挙げた。



民生用電子機器、10か月連続プラス成長

電子情報技術産業協会は5月の民生用電子機器の国内出荷額は前年同月比18%増加の2308億円に達し、10か月連続で前年同月を上回っていると発表した。薄型テレビがエコポイント制度の効果を背景に前年同月比56.4%増と依然好調をキープし、ブルーレイ・ディスク録画再生機もテレビと一緒の購入効果で同59.1%増となっている。また、ビデオカメラ(同40.8%増)やカーナビゲーション(同28.6%増)も好調を維持している。



日本脳炎、8割の幼児に「免疫なし」

国立感染研究所の調べによると、感染すると死亡したり脳に重い障害を引き起こすとされる日本脳炎で、幼児の8割がウィルスに対抗する免疫を持っていないことが分かった。2005年から副作用の問題で予防接種が事実上中断したためとみられる。同研究所は全国の乳幼児から50代までの男女2500人を調査したところ、3~4歳児で免疫を持っているのは23%にとどまり、予防接種を中断する前の04年自調査では62%も免疫を持っていた。昨年、副作用が少ないとされる新ワクチンが承認され、厚生労働省では新ワクチン接種を呼び掛けている。



ユーチューブ、5月の視聴回数が146億回

米調査会社のコムスコアによると、グーグルが運営する動画共有サイト「ユーチューブ」の5月の米国における視聴回数が過去最高となる146億回に達したことが分かった。昨年8月に月間100億回に達しており、1年も経ずして約5割が増えたことになり、全米での圧倒的な浸透が伺える。当初、著作権を無視した違法動画などを問題視した既存メディアだが、現在では新たな視聴者獲得や作品の宣伝にと利用し始めている。



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